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17年04月24日 / 山口 哲也

仏大統領選1ラウンド目終了 週明け円は売られすぎ?!(主要通貨チャート分析)

インヴァスト証券の山口です。

下の棒グラフは、4月21日の終値と4月14日の終値を利用して計算した、先週の日本円に対する主要通貨の騰落率を示したものになります。
(日本円を0%として、プラスは円よりも強い通貨、マイナスは円よりも弱い通貨)
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先週は南アランドと英ポンドが買い戻される展開となりました。

特に南アランドに関しては、先週に引き続き買戻しが目立ちますが、南アランド/円は今週8.505で寄り付いて弱含みで推移しており、直近の高値8.980から直近の安値7.890までの61.8%戻しの8.508と重なり、少なくともこれを上回らないと本格的に上昇に転じたとは判断しにくいところです。

ポンドは後述のとおり総選挙実施の報道を受けた英ポンド買いによるものです。

逆に売られた通貨は順にカナダドル、豪ドル、日本円、米ドル、NZドルとなっており、大きな要因としては54ドル台まで上昇したWTI原油価格が50ドルを割る水準まで落ち込んだことがあげられます。

週明けの米ドル/円やクロス円は、フランス大統領選の結果を好感してリスクオンとなり大きく上昇しています。

ただフランス大統領選1ラウンド目は過ぎ去ったこと。

この結果が今後も継続的に動かすドライバーとなるかというと、そういったものでは無いと思います。

今週は日銀金融政策決定会合やECB理事会などもありますが、「地政学リスク」と「トランプ大統領就任100日(4月29日)を控え、100日間におこなうこととして掲げた公約がどれだけ実行できるのか」に注目です。

 

【ユーロ/米ドル 週足チャート】

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ユーロ/米ドルは上昇。先週は一時1.0775まで上昇したものの、週末にフランス大統領選の1ラウンド目を控えていたこともあり、週末にかけて値を戻し1.0697で引けました。

今週のユーロ/米ドルはフランス大統領選の結果を好感し1.0893で高寄りして始まりましたが、52週移動平均線に上値を抑えられる形となっています。なお、今週のECB理事会において政策金利の変更は無いと考えられます。

 

 

【ユーロ/円 週足チャート】

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ユーロ/円は反発。5週連続の陰線引け後の反発となっており週明けの本日はフランス大統領選の1ラウンド目の結果を好感して120.085で寄り付きましたが、26週移動平均線に上値を抑えられる形となっています。

今週のマーケットの意識はフランス大統領選から米国の政策と朝鮮半島問題に変わっていると考えられますので、どちらかと言えば円はユーロに対し買われやすい地合いにあると考えられます。

レジスタンスは26週移動平均線が位置する120.10。サポートは13週移動平均線が位置する119.45、その下が52週移動平均線が位置する118.15。

 

【英ポンド/円 週足チャート】

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英ポンド/円は反発。

先週は北朝鮮のミサイル問題を受けて年初来安値135.58を更新したものの、18日に6月に英国で総選挙がおこなわれることが発表されると、総選挙によりメイ首相の基盤強化に繋がるとの思惑からポンドが広い通貨に対して買われました。

英ポンドは18日の終値ベースでの前日比が、英ポンド/米ドルで2.25%、英ポンド/円で1.78%、ユーロ/英ポンドで1.37%上昇いたしました。

なお、今週はフランス大統領選の結果を受け、円が幅広い通貨に対して売られて寄り付いたことで、英ポンド/円も141.42で寄り付きましたが、26週移動平均線は上向きなものの、52週移動平均線や13週移動平均線がが下向きとなっており、英ポンド/円は下降トレンドと考えられるため、今後は再度140円割れまで値を戻すものと思われます。

 

【豪ドル/円 週足チャート】

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豪ドル/円は引き続き弱含みで推移し、先週は81.495まで下落しましたが、81.35に位置する52週移動平均線が意識されて反発し、82円台まで回復して引けました。

今週はリスクオンによる円売りにより、83.305で寄り付きましたが、価格は13週移動平均線と26週移動平均線の下側に位置しており、上値の重い展開が予想されます

 

【ピボットによる今週の主要通貨の予想レンジとトレンド】

今週の主要通貨の予想レンジとトレンドです。仕掛け作成の上で参考にしてください。

なお、予想レンジは週足のPIVOTを利用して算出しています。トレンドは200日移動平均線と一目均衡表から上昇トレンドなら「↑」、下降トレンドなら「↓」で示しています。

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(PIVOTの算出、200日移動平均線と一目均衡表の判定は東京金融取引所くりっく365の為替レート及びチャートを利用しています。)

※PIVOTとは・・ J.W.ワイルダーが考案した「リアクション・トレンドシステム」のことで、一般的にはPIVOT(ピボット)と呼ばれています。
※PIVOTの使い方
 四本値から算出された価格から2つのモードで使い分けをします。
 1.リアクションモード
   保ち合い相場(横ばいトレンド)を想定して、B1・B2で買い、S1・S2で売ります。
   上記の表の予想レンジ1はB1とS1で、予想レンジ2はB2とS2で想定レンジ幅を表示しています。
 2.トレンドモード
   LBOP(ロウ・ブレイク・アウト・ポイント)を下回ったら下降トレンド、HBOP(ハイ・ブレイク・アウト・ポイント)を上回ったら上昇トレンドと想定(リアクションモードでの取引は停止)して、取引をおこないます。

17年04月24日 / 山口 哲也

北朝鮮問題と米税制改革は?今週のドル円は弱含む!?

インヴァスト証券の山口です。

先週の米ドル/円は15日の北朝鮮のミサイル発射(失敗におわる)を受けて108.775で寄り付いた後、一時、昨年11月以来となる108.10台まで下落しました。

その後はムニューシン米財務長官の「強いドルは長期的に良い」や「早い段階で税制改革を打ち出す」との発言を受けて底堅く推移し20日には109.505まで値を戻し109.10で引けました。

なお、23日のフランス大統領選1ラウンド目の結果は、極右政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首と中道・独立系候補のエマニュエル・マクロン前経済・産業・デジタル相が5月7日の決戦投票進出がとなり、フランス大統領選1ラウンド目の結果を受けた世界的なリスク回避の後退により、今週の米ドル/円は110.24(先週末比+1.04%)、日経平均は18,890円38銭(同+1.45)と高寄りしてスタートしています。

しかし、フランス大統領選(の1ラウンド目)を通過したとはいえ、今後のマーケットは、一旦フランス大統領選からは離れて、目先の材料に目を移すと考えられます。

【今週の主なスケジュール】

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今週の主要な経済イベントにおいては、主要国の金融政策や米国の景気動向という点で、特に

27日 日銀金融政策決定会合・ECB理事会

28日 米第1四半期国内総生産(GDP)

などに注目が集まると思いますが、これらと平行しこれら以上に気になるのが、以下の4つです。

 

・4月25日 北朝鮮人民軍創建85周年での核実験・ミサイル発射懸念

・4月26日 大幅な税制改革と減税を発表するとツイート

・4月28日 今年度の暫定予算期限切れ

・4月29日 トランプ大統領就任100日目

・今週中(4月24日から4月29日)にオバマケアの代替法案を採決

 

まず、北朝鮮ついてです。

先週20日に北朝鮮の機関紙「労働新聞」において「超強力な先制攻撃」、23日には朝鮮中央通信において北朝鮮執行部の「米国や韓国に対する無慈悲な殲滅の意志を宣言声明」などが報じられています。

次に米国についてですが、1つ目は4月29日にトランプ大統領就任100日目を迎えるにあたり、オバマケア廃案と代替法案の採決と大幅な税制改革の発表に注目です。

オバマケア廃案と代替法案の採決については、3月には共和党内でさえ調整できなかったことからトランプ大統領のリーダーシップが疑問視されました。ここまでの間に代替案の調整ができたのか、代替法案の議会の採決において過半数が取れるのかに注目です。

また、大幅な税制改革の発表についても後ずれしていますが、23日に米行政管理予算局のマルバニー局長はFOXニュースサンデーで、税制が完全な形で準備できるのは6月ごろになると考えており、26日に公表するのは、税制に関するトランプ政権の指針に加え、当局で協議中の税率の一部や税制案についてのアイデアと述べていますので、恐らくマーケットが期待しているであろう、具体的な税制改革案や減税案には程遠いものだと思われます。

最後に、28日の今年度の暫定予算期限切れについては、議会が延長が新予算案で合意しない限り一部の政府機関が機能しなくなる可能性があるということです。

米国においては、トランプ大統領就任100日前に色々な課題が積み重なっており、マーケットがこれらに対してどういった反応をするかということです。

フランス大統領選の1ラウンド目を終えて、リスクオン気味でスタートしたマーケットですが、経済イベント的にはまたリスクオフに戻りやすい地合いにあり、米ドル円は弱含むのではないかと予想しています。

なお、米企業は決算発表の時期に入ってきており、米企業の好決算はドル買い材料に繋がります。


【米ドル/円 週足チャート(TFX)】

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米ドル/円の週足チャートは、緑色で示した(2011年10月の安値から続く)長期上昇トレンド上で推移しており、現在は青色で示した(2017年12月の高値から続く)短期下降トレンド上にあると見ています。

フランス大統領選1ラウンド目の結果を交換してやや高寄りして始まった米ドル/円ですが、今週のマーケットのトピックは、上述のとおりフランス大統領選から目先は米国の政策と朝鮮問題にシフトすると考えられ、どちらかと言えば円買いに向かいやすいものと思われます。

また、今週末からゴールデンウィークに入ります。ゴールデンウィーク明け(5月8日週)に仕掛け的に米ドル/円が売られる可能性もあり、もうしばらくは円売りは控えたいところです。

レジスタンスは13週移動平均線が位置する111.85や26週移動平均線が位置する112円70前後で、サポートは52週移動平均線が位置する108.35ですが、この水準を下回るようであれば、106円割れがイメージされます。

ストキャスティクスは20%を割る水準まで低下しており、売られすぎ感が出ています。これが20%を超えてくるまでは戻り売りを考えたいところです。

 

【米ドル/円 日足チャート(TFX)】

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一方、米ドル/円の日足チャートは、一目の短期トレンドを計る指標である基準線が下向きで、中期トレンドを示唆する雲も右肩下がりになっています。

200日移動平均線はゆるやかな上向きとなっており、先週一時的に108.12をつけましたが、その後は200日移動平均線を上回ってきています。

目先は、朝鮮人民軍創建85周年を控えた朝鮮半島での有事が懸念されますし、米国の政策についても、マーケットの期待を裏切る結果となる場合、リスクオフにつながりやすいため、戻り売りのタイミングを計りたいところです。

目先のレジスタンスは基準線位置する110.50。その上が111.00前後を考えています。

17年04月21日 / 山口 哲也

4月23日はフランス大統領選 株・為替はどうなる?

インヴァスト証券の山口です。

週末4月23日にフランスの大統領選がおこなわれます。

仏大統領選の結果如何によっては為替も株も大きく動く可能性があり、大変注目されています。

何故かというと、ざっくりといえば次のようなロジックです。
・この大統領選の結果によっては、フランスもイギリスのようにEUを離脱しうる
・イギリスの国民投票ではEU離脱という結果を受け、為替・株式が乱高下した
・フランスのEU離脱の可能性が高まると為替・株式が乱高下する

それでは、まず、何故、大統領選の結果でフランスもEUを離脱しうるのかですが、それは支持率の高い候補者のうちマリーヌ・ル・ペン氏とジャン=リュック・メランション氏の2名がEU離脱や反EUを掲げているからです。

フランスの大統領選立候補者は全部で11名で、そのうち次の4名が次期大統領として有望と見られています。

※現オランド大統領の後継となるのはブノワ・アモン氏

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ちなみに、上記4名+現オランド大統領の後継者のアモン氏の世論調査による支持率は以下のとおりです。

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フランス大統領選挙は4月23日に1ラウンド目がおこなわれ、過半数の支持を獲得した候補者が大統領となりますが、1ラウンド目で過半数の支持を集められない場合、上位2候補者で5月7日に決戦投票がおこなわれ大統領が決まります。

現在の支持率から見れば、4月23日の第1ラウンドでこれらの候補者のうち過半数の支持を集められる候補者はまずいないと考えられます。

では、第1ラウンドはどのような結果が見込まれマーケットのセンチメントがどうなりそうかを可能性の高い順に表にすると次のような組み合わせになるでしょう。

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現在のマーケットは、メインシナリオは第1ラウンドは「マクロン・ルペン」で考えているとすれば、2行目以下の組み合わせがサブシナリオ(リスクシナリオ)で、上記表の下に行くほどマーケットにとってはサプライズとなり値動きも大きくなりやすいと考えられます。

しかし、フランスのEU離脱懸念の後退や高まりという観点から言えば、上から2番目の「マクロン・フィオン」と5番目の「ルペン・メランション」の組み合わせが最もマーケットへのインパクトが高いと考えられます。
(株式市場はユーロストックス50やCAC40指数、DAXなどを想定)

なお、昨年6月のイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票の結果を受け英国のFTSE100と英ポンド/米ドル、また、日経平均と米ドル/円、更にユーロ/ドル、ユーロ/ポンド以下のような変動となりました。(23日から24日までの最高値=最大値と最安値=最小値で算出)

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もし仮に、今回の結果がメインシナリオ(上記の表では1行目)以外で、マーケットにとってサプライズ(上記の表では2・5行目)となる場合には、月曜日の寄り付きのマーケットは金曜日の終値から5%から10%程度、ギャップを空けて始まる可能性もあるということです。

 

ちなみに、EU(イギリスを含む)におけるフランスのプレゼンスは、
人口:13.1%(EU内2位)
GDP[%]:14.9%(同3位)
EUへの拠出金:16.8%(同2位)
EU議会の議席数:74名/751名(2位)
と、EU内ではドイツに次いで2位から3位程度というイメージです。

週明けのリスクに備えたポジションメイクをしておきましょう。

17年04月17日 / 山口 哲也

リスク回避というよりポジション調整!今週の方がリスク回避に?(主要通貨チャート分析)

インヴァスト証券の山口です。

下の棒グラフは、4月14日の終値と4月7日の終値を利用して計算した、先週の日本円に対する主要通貨の騰落率を示したものになります。

(日本円を0%として、プラスは円よりも強い通貨、マイナスは円よりも弱い通貨)

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先週は、南アランドと日本円が買われ、米ドル・ユーロ・スイスFが売られる展開となりました。

特に南アランドに関しては、前週、前々週と大幅に売られた買戻しが目立ちますが、先週、買われた上位の通貨、例えば日本円もキャリートレードによる中期的な売りポジションの解消、トルコリラや豪ドルも直近の下げ(売り)に対しての反発(買い戻し)と読み取れます。

 

逆に売られた通貨は米ドル・ユーロ・スイスFとリスク回避時に買われやすい通貨が最下位を占める結果となっており、確かに地政学リスクは意識されるものの、どちらかと言えば先週の値動きはリスク回避というより、先週ご案内のとおりのポジション調整だったと受け止めています。

 

【ユーロ/米ドル 週足チャート】

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ユーロ/米ドルは続落。ユーロ/米ドルは緑色で示した長期下降トレンド内で推移しています。

下向きの52週移動平均線、26週移動平均線、13週移動平均線の下側で価格が推移していることに加え、ストキャスティクスも下向きとなっていることから目先は上値の重い展開が続きそうです。

なお、1.05ドルが目先のサポートと考えられ、今後はこの水準へのトライを予想します。

 

 

【ユーロ/円 週足チャート】

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ユーロ/円は大幅続落。5週連続の陰線引けとなり、13週移動平均線は26週移動平均線を下回っています。

ストキャスティクスは20%を割り込んで売られすぎ感がありますが、週末にフランス大統領選の1回目を控えていることもあり、戻り売りを考えたいところです。

 

【英ポンド/円 週足チャート】

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英ポンド/円は続落。先週は年初来安値136.46を更新、135.97まで下落し136.04で引けました。

週足は各移動平均線の下側に価格が位置していることもあり、戻り売りを考えたいところですが、英ポンド/米ドルを見ると方向感が見られない(というよりも先週は米ドルに対して英ポンドは強かった)ことから、英ポンド/円の売りより米ドル/円の売りの方が短期的には面白みがありそうです。

 

【豪ドル/円 週足チャート】

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先週の豪ドル/円は続落。一時、81.85まで下落しました。

以前からご案内のとおり、昨年末から今年3月半ばまで豪ドル/円相場は団子天井で推移していたと読んでおり、引き続き今後の目標価格は高値圏での値幅分(4円幅程度=88円-84円)をサポートライン84円から差し引いた80円前後をイメージしています。

ただし、目先は81.30に位置する52週移動平均線は強いサポートとして意識され、当面はこの水準へのトライというところでしょうか。

(81.30前後に何度かトライをして下回るようなイメージ)

 

【ピボットによる今週の主要通貨の予想レンジとトレンド】

今週の主要通貨の予想レンジとトレンドです。仕掛け作成の上で参考にしてください。

なお、予想レンジは週足のPIVOTを利用して算出しています。トレンドは200日移動平均線と一目均衡表から上昇トレンドなら「↑」、下降トレンドなら「↓」で示しています。

(PIVOTの算出、200日移動平均線と一目均衡表の判定は東京金融取引所くりっく365の為替レート及びチャートを利用しています。)

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※PIVOTとは・・ J.W.ワイルダーが考案した「リアクション・トレンドシステム」のことで、一般的にはPIVOT(ピボット)と呼ばれています。

※PIVOTの使い方

 四本値から算出された価格から2つのモードで使い分けをします。

 1.リアクションモード

   保ち合い相場(横ばいトレンド)を想定して、B1・B2で買い、S1・S2で売ります。

   上記の表の予想レンジ1はB1とS1で、予想レンジ2はB2とS2で想定レンジ幅を表示しています。

 2.トレンドモード

   LBOP(ロウ・ブレイク・アウト・ポイント)を下回ったら下降トレンド、HBOP(ハイ・ブレイク・アウト・ポイント)を上回ったら上昇トレンドと想定(リアクションモードでの取引は停止)して、取引をおこないます。

17年04月17日 / 山口 哲也

地政学リスクに振り回される「米ドル/円」 今週はどうなる?

インヴァスト証券の山口です。

 

先週の米ドル/円は続落。週明4月10日111.185で寄り付いた米ドル/円は一時111.60まで上昇したものの、その後は地政学リスクの高まりとトランプ大統領の「ドルが強すぎる」との発言、週末にかけてはグッドフライデーで流動性が低下する中で発表された米経済指標がやや弱い結果だったことを受けて108.54まで下落し108.575で引けました。

4月14日に発表された米3月消費者物価指数は前月比-0.3%(市場予想:同±0.0%)、コア指数は前月比-0.1%(市場予想:同+0.2%)、米3月小売売上高は前月比-0.2%(市場予想:同-0.2%)と総じてやや弱めの結果となりました。

また、米財務省が14日に公表した外国為替報告書では為替操作国として認定された国はありませんでしたが、監視リストとして中国、日本、韓国、台湾、ドイツ、スイスの6カ国・地域が指定されています。

なお、今週の主な経済イベントは以下のとおりですが、日本においては18日にペンス米副大統領が来日し19日まで麻生副総理などと経済対話(日米経済対話)をおこないます。

日本が為替操作国の監視リスト入りしていることから、円高圧力がかかるといった思惑がマーケットの一部で出ています。

また、週末4月23日(日)にはフランス大統領選の第1回目が控えています。世論調査を見ると、マクロン候補と極右政党の国民戦線ルペン候補が優位で、次いでフィヨン元首相と左翼党のメランション候補が後を追うといった状況です。

フランス大統領選は、1回目の投票で過半数の支持を集める候補がいれば、その時点で大統領が決定しますが、そうではない場合は上位1位と2位で決選投票をおこないます。

4月13日から14日に出てきている世論調査(7機関の平均値)をまとめた有力候補の2名、マクロン候補(22.9%)とルペン候補(22.6%)の2人が今週末の選挙で1位・2位通過して、5月の決選投票に進む場合は、マクロン候補有力とみられています。

しかし、現在の世論調査では上記2人の後を追うフィヨン候補(19.4%)とメランション候補(19.0%)の支持率も高く、特にメランション候補に至っては、ここに来て支持率が急上昇していることもあり、ダークホースとなりそうです。

仮に今週末の投票結果で1位、2位が極右ルペン候補と左派メランション候補となる場合、どちらの候補もEUに懐疑的な考え方を示しているため、マーケットにおいてはフランスのEU離脱懸念が高まりやすくなります。

更に東アジアに目を向けると、今月25日前後には米国の空母カールビンソンが韓国東岸に到着し米韓での合同軍事演習を検討していると報じられています。

この4月25日は「朝鮮人民軍創設85周年」となり、当面は東アジアにおける地政学リスクは高まった状態が続きそうです。

 

【今週の主なスケジュール】

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先週の記事や4月11日のテレビ(電話)出演時にもお伝えしていますが、先週は週末にイースター休暇を控えていたこともあり、売買のフローはポジション調整的な動きが中心だったと考えています。

実際、先週末に米国先物委員会が公表した日本円通貨先物の大口投機家の建玉は売りポジションは87,113枚から78,080枚に買い戻されて9,033枚の減少。

逆に買いポジションは41,313枚から43,316枚へ2,003枚買い増しされ、買いポジションから売りポジションを差し引いたネットポジションは45,800枚の売り越しから34,764枚の売り越しとなっており、売り越し枚数が減少しています。

 

【米ドル/円 週足チャート(TFX)】

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米ドル/円の週足チャートは、緑色で示した(2011年10月の安値から続く)長期上昇トレンド上で推移しする中、現在は青色で示した(2017年12月の高値から続く)短期下降トレンド上での調整局面にあると見ています。

レジスタンスは13週移動平均線や26週移動平均線が位置する112円前半前後で、サポートは52週移動平均線が位置する108.25ですが、この水準を下回るようであれば、106円割れがイメージされます。

ストキャスティクスは20%を割る水準まで低下しており売られすぎ感が出ていますが、当面、ストキャスティクスが上昇基調に変化するまでは戻り売りを考えたいところです。

 

【米ドル/円 日足チャート(TFX)】

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一方、米ドル/円の日足チャートは一目の短期トレンドを計る指標である基準線が下向きで、中期トレンドを示唆する雲も右肩下がりになっており、価格はやや上向きの200日移動平均線を下回ってきています。

上述のとおり18日から19日にかけておこなわれる日米経済対話においてマーケットに安心感が出てくれば、一時的に上ぶれる局面もあるかもしれません。

しかしながら、週末のフランス大統領選(1回目)や週明けの朝鮮人民軍創建85周年式典における核・ミサイル問題が意識されやすく、当面はリスクオフ地合いは変わりにくいと思われ、今週も米ドル/円については一目転換線が位置する109.90をバックに戻り売り方針で考えています。

目先のレジスタンスは転換線が位置する109.90。その上が基準線が位置する111.70前後。

17年04月14日 / バカラ村 氏

「地政学リスクやトランプ発言で、ドル円は買う材料が乏しい」

・堅かった下値110円

 

先週金曜はアメリカがシリアへ59発のトマホークミサイルを発射しました。

これによりリスク回避の動きとなり、ドル円は110.14円まで下落しました。

それまで110.00円は年金などの準公的資金の買いが多くあると言われ、リスク回避の動きでも110円前半がサポートされました。

 

ドル円の1時間足です。

ドル円1時間足.png

 

その後、雇用統計がありましたが、市場予想18.0万人のところ、9.8万人となり、ドル円は再度110円割れをトライする動きとなりました。

110.08円まで下がりましたが、雇用統計の数字でも110円はサポートされ、買いの厚さを確認しただけの動きとなりました。

 

 

・重要性が高まる二国間交渉

 

最近はG20やTPPなど、各国が集まっての会合は重要性が低くなっており、トランプ氏が大統領となってからはそれが顕著となっています。

それの重要度が低くなった反面、二国間交渉の方は重要度が高くなっています。

先週6-7日に米中首脳会談があり、ここでの交渉が注目されました。

トランプ大統領は貿易赤字を削減しようとしており、その一番の原因となっている中国との交渉なので、交渉内容に注目が集まっていました。

しかし具体的な内容ではなく、100日で貿易赤字の削減を決めるという、期間を決めての今後の検討に入るという内容となりました。

 

二国間交渉では、18日に日米経済対話があります。

日本の財務省幹部の発言では「為替問題は協議の枠外だ」とされているので、もしそうであれば、無風で通過することになりますが、日本も貿易赤字の対象国となるため、注目するイベントです。

 

 

・トランプ大統領のドル高牽制発言

 

4月12日の夜にWSJ紙にトランプ大統領がインタビューで「ドルは強過ぎる」「低金利政策を好む」「イエレン議長の再選をまだ決めていない」と発言しました。

これに為替市場は反応し、ドル円は108.73円まで下落しました。

 

ドル安政策を促すような発言になりますが、4月14日からイースター休暇に入るため、市場参加者もこれに向けたポジションを積み上げる動きとはならず、反対に連休前のポジション調整の動きから、109.38円まで上昇しました。

 

ドル円の1時間足です。

ドル円1時間足②.png

テクニカル的には、200日移動平均線が108.66円あたりにあり、またフィボナッチも108円台や107円後半に集まっており、さらには118円からの下げのN計算値やV計算値も107円台や108円台に密集してあります。

テクニカル的にはこの107.50~108.50円はサポートとして機能しやすい位置だと言えます。

 

・目先のイベント

 

これから目先のイベントとしては、

14日と17日はイースター休暇で、各国がお休みになります。

4月15日は金日成主席生誕105周年。

北朝鮮はイベント周辺のときにミサイルを発射することが多いため、もし今回もミサイルを発射すれば、円高要因になります。

 

4月18日は日米経済対話。

4月23日はフランス大統領選、第一回投票。

5月7日に第二回投票があり、これが終わらないとユーロはルペンリスクで買われにくく、これを通過すれば、ユーロはテーパリング観測から上昇しやすいのではないかと思います。

 

4月25日は北朝鮮人民軍の創設85年。

北朝鮮との地政学リスクが高まっているときなので、どれだけ北朝鮮が挑発してくるかにかかってきます。

北朝鮮のやり方としては、以前は、相手国の警戒レベルをかなりの水準まで引き上げるような行為を行ってから交渉を始めたので、今回も同じように、ミサイルを発射するようなそぶりをしたり、挑発発言をしてくる可能性があります。

したがって、まだ円高リスクが残ります。

 

4月中に米為替報告書が出ます。

ただ、中国を為替操作国に認定しないということをトランプ大統領が発言したこともあり、ここでの重要性は低くなっています。

 

5月9日、韓国大統領選。

直接は関係ないイベントですが、ただ北朝鮮との緊張状態にあるときに大統領が不在となっているため、北朝鮮としては攻撃しやすいとも言えます。

 

ドル円の日足です。

ドル円日足20170414.png

前述したようにドル円は107円台から108円台にかけてテクニカル的なサポートが多く、

反対に110円は以前までサポートでしたが、今回はレジスタンスとして機能しそうです。

材料的には、トランプ大統領の発言や地政学リスクはドル円に売り圧力となります。

これらを総合して考えると、107.50円~110.50円での推移となりそうです。

トレンドは下降となるので、基本は戻り売りでのトレードがいいように考えています。

17年04月12日 / 水上 紀行 氏

主要通貨見通し(2017/04/12)

【ドル/円】

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ドル/円 日足

米軍のシリアへのミサイル攻撃に端を発し、ここに来て、いったん韓国との演習を終えて、オーストラリア方面に移動していた米空母が北朝鮮に一転して接近してきているなど、東アジアでの緊張が高まっています。

今のところリスク回避の円買いにはなっているものの、これで、北朝鮮のミサイルが日本国内に着弾した場合は、やはり、一時的には、円売りに振れるものと見ています。

ただし、気をつけておきたい事は、有事のドル買い円売りと言っても、実際に、フロー(資金の流れ)ができるわけではないものと思われ、ドル買い円売りを強まると、その反動の方が大きくなるものと思われます。

資金の流れを追うことは、大変大事ですが、今の段階では、まず、シンプルなテクニカル分析を見ておく必要があります。

ドル/円の日足を見ると、昨年の年末にひとつ目の山が出来、今年の3月にふたつ目の山ができています。

このように、左の山が高くて大きく、ふたつ目の山が低くて小さい形状を、変形ダブルトップと呼んでいますが、これは、ドル/円に良く出るパターンです。

ざっくりとですが、左の山のトップが118円、その麓(ネックライン)が112円近辺となっており、実は、既に実勢値は、ネックラインを下回ってきています。

この下げのメドは、112円(麓)-(118円(左の山のトップ)-112円)=106円が、この場面でのターゲットだと見ています。

ただし、これが下げの最終点とは見ていません。

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ドル/円 (月足)

この月足で見ても、日足と同様の変形ダブルが形成されつつあり、左の山のトップが125円、麓(ネックライン)が100円ですので、もしも、月足ベースで、麓を割り込んで来ると、100円(麓)-(125円-100円)=75円まで下落する可能性があります。

もちろん、御異論がおありの方は多いと思いますが、現在、潜在的なドル売り需要があるのは、機関投資家や個人投資家層に多く、需給的には、大きくドル余剰(ドルが余っている状況)だと思われますので、決して、絵空事では、無いものと見ています。

そして、既に申し上げましたように、確かに地政学的なリスクはありますが、需給的にドル買いが少ないことを考えましても、ドル上昇は一時的だと思われます。

 

【ユーロ/ドル】

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ユーロ/ドル 週足

すでに、2年以上レンジ相場が続いています。

相変わらず、欧州系銀行は、リーマンショックの後遺症から抜け切れていません。

コンプライアンス(法令順守)にともない、たとえば、ディーラーの電話やメールはすべてチェックされ、規制では、事細かにディーリングのやり方が規程されて、がんじがらめの状況です。

その上、リストラの嵐も激しく、もうなにもやり様がない状況です。

それを、考えると、1.0400~1.1400近辺のレンジは、致し方ないものと思われます。

 

【ユーロ/円】

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ユーロ/円 月足

すでに、申し上げましたように、ドル/円下落、ユーロ/ドルレンジであれば、ユーロ/円は下落するものと、依然として考えています。

昨年11月の米大統領選でトランプ氏が当選した後、ドル/円が上昇し、ユーロ/円も上昇しましたが、その後、結局、再び下げて来ており、これで、110円あたりが下抜けると、95円から100円当たりまで、急落する可能性があります。

ある意味、台風の目のような存在ではないかと見ています。

今年は、通貨全般に、今まで、タイトなレンジ相場が続いています。

しかし、潜在的には、大きく動く可能性は高いものと思われ、早ければ、4月後半から5月あたりに動き出す可能性があります。

その時期も、レンジが続くようであれば、次のチャンスは、欧米勢の実質的な下期のスタートなる9月になるものと見ています。

17年04月10日 / 山口 哲也

4月10日週 イースターを前にポジション調整に注意!(主要通貨チャート分析)

インヴァスト証券の山口です。

下の棒グラフは、4月7日の終値と3月31日の終値を利用して計算した、先週の日本円に対する主要通貨の騰落率を示したものになります。

(日本円を0%として、プラスは円よりも強い通貨、マイナスは円よりも弱い通貨)

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先週も引き続き南アランドが最も弱い通貨となっており、米国のバランスシート縮小懸念の高まりやシリア攻撃や北朝鮮問題へ対するリスク回避によりトルコリラや豪ドルが売られる一方で、日本円・米ドル・ユーロが買われる展開となりました。

今週末4月14日から4月17日にかけて、欧米はイースター休暇となり特に週末から来週にかけては流動性が低下しやすい傾向にあります。そのため、地政学的リスクと米国の金融政策に加えて、機関投資家のポジション調整の動きにも注意が必要です。

 

【ユーロ/米ドル 週足チャート】

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ユーロ/米ドルは続落。ユーロ/米ドルは緑色で示した長期下降トレンド内で推移しています。

下向きの52週移動平均線、26週移動平均線、13週移動平均線と、下向きのストキャスティクスからも目先は上値の重い展開が続きそうです。

1.05ドルが目先のサポートと考えられ、今後はこの水準へのトライを考えています。

なお、米先物委員会が先週末に公表したユーロ通貨先物の機関投資家筋のポジションは買い建玉が155,468枚、売り建玉が166,873枚で差し引き11,405枚の売り越しと前週に比べて3,482枚売り越しが増加していますが、昨年には一時137,385枚まで売り越しが増加していたことから見れば、殆どスクウェア状態といっていいと考えられます。

これの意味するところは、機関投資家筋はユーロに関しニュートラルで、どちらに転んでもいいポジションになっているということです。
なお、どちらかと言えば、ユーロ売りに傾きやすい状況にあると考えられますが、イースター休暇明けまでは動きにくいのではないかと思います。

 

【ユーロ/円 週足チャート】

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先週のユーロ/円は4週連続の陰線引けとなり、下向きの52週移動平均線を下回って引けました。先週末の終値は117.30。

ストキャスティクスも下向きで弱い状況となっており、先週お伝えしたとおり価格が52週移動平均線を下回ったことにより、ユーロ/円は今後も下落しやすい地合いにあると考えられます。

レジスタンスは52週移動平均線が位置する118.40前後、その上が26週移動平均線が位置する119.90前後で、120円前後をバックに戻り売りを考えたいところです。

 

【英ポンド/円 週足チャート】

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英ポンド/円の週足は引き続き52週移動平均線、13週移動平均線に上値を抑えられる形で推移し、先週は26週移動平均線を下回り引けています。なお先週末発表された4月4日時点でのIMM英ポンド通貨先物は大幅な売り越しとなっており、一時的に買い戻される展開があるかもしれません。

なお、そうは言うものの、先週お伝えのとおり、英ポンド/円は26週移動平均線と52週移動平均線に挟まれた三角保ち合いを下回ったと読み取れます。

そのため、複数の移動平均線が重なる140円処をバックに、引き続き戻り売りを考えたいところです。

 

【豪ドル/円 週足チャート】

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先週の豪ドル/円は26週移動平均線を割り込み大きく反落し83.40で引けました。先週末のCMEの通貨先物で豪ドルはメジャーカレンシーの中では唯一買い越しとなっており、今週末のイースター休暇にかけてポジション調整の動きには注意が必要です。

したがって、先週お伝えのとおり、これまでの相場は団子天井で推移と考えられ、高値圏での値幅分(4円幅程度=88円-84円)をサポートライン84円から差し引いた80円前後が中長期的な目標価格として意識されます。

レジスタンスは84.85、サポートは先週の安値82.78で、当面は52週移動平均線が位置する81.40に向かっていくものと考えています。

 

【ピボットによる今週の主要通貨の予想レンジとトレンド】

今週の主要通貨の予想レンジとトレンドです。仕掛け作成の上で参考にしてください。

なお、予想レンジは週足のPIVOTを利用して算出しています。トレンドは200日移動平均線と一目均衡表から上昇トレンドなら「↑」、下降トレンドなら「↓」で示しています。

(PIVOTの算出、200日移動平均線と一目均衡表の判定は東京金融取引所くりっく365の為替レート及びチャートを利用しています。)

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※PIVOTとは・・ J.W.ワイルダーが考案した「リアクション・トレンドシステム」のことで、一般的にはPIVOT(ピボット)と呼ばれています。

※PIVOTの使い方

 四本値から算出された価格から2つのモードで使い分けをします。

 1.リアクションモード

   保ち合い相場(横ばいトレンド)を想定して、B1・B2で買い、S1・S2で売ります。

   上記の表の予想レンジ1はB1とS1で、予想レンジ2はB2とS2で想定レンジ幅を表示しています。

 2.トレンドモード

   LBOP(ロウ・ブレイク・アウト・ポイント)を下回ったら下降トレンド、HBOP(ハイ・ブレイク・アウト・ポイント)を上回ったら上昇トレンドと想定(リアクションモードでの取引は停止)して、取引をおこないます。

17年04月10日 / 山口 哲也

シリアへのミサイル発射!北朝鮮は?今週の米ドル/円為替見通し!

インヴァスト証券の山口です。

 

先週の米ドル/円は小幅反落。週明4月3日に111.48と前週末の111.33に比べてやや高寄りした米ドル/円は、主要指標を控えて週末まで概ね110円台半ばから111円台前半で推移しました。

4月7日、米国が化学兵器による攻撃の拠点となったシリアの飛行場へミサイルを発射したことが報じられると、リスクオフにより米ドル/円は110.12まで下落したものの、「米国のシリア攻撃は一度限り」との報を受けて地政学的リスクが後退し、徐々に値を戻す展開となりました。

同じく7日、米労働省が発表した3月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比9.8万人増(市場予想:前月比18万人増)と市場予想よりも弱かったことで売りが先行し、一時110.08まで下落したものの、失業率が4.5%(同:4.7%)と強い内容だったほか、平均時給は前月比プラス0.2%(同:前月比プラス0.2%)と市場予想通りの結果だったこと、また、米10年債利回りの低下幅が縮小したことやダドリーNY連銀総裁の発言などを受けて111円台まで回復し111.195で引けました。

 

今週は次のような経済指標が予定されておりますが、マーケットの意識はここに来て高まる地政学的リスクと、FOMC議事録で話し合われていたFEDのバランスシート縮小に向いているものと思われます。

 

【今週の主なスケジュール】

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地政学的リスクに関しては、米中首脳会談中のシリアへの攻撃が、北朝鮮の核・ミサイル問題に対する米国の強い意思を中国に対し暗に伝える結果となったものと思われますが、今後の米中対話の結果で対応が変わってくると考えられ、しばらくは現在のような状況が継続するものと思われます。

マーケットは朝鮮半島を含む東アジア地域における地政学的リスクの高まりにより、リスクオフに向かいやすいと考えられ、当面はリスクオフの円買い地合いが続くものと考えられます。

なお、トランプ大統領のツイッターでは米中首脳会談について「米中の友好的な関係が形成できたものの、貿易問題については時間がかかりそうだ」と友好的な会談だったことをツイートしています。

また、エジプトのテロ攻撃については「米国は強く非難します。シーシー・エジプト大統領が的確に解決することを確信している」とツイートしています。

こういった発言から鑑みるに米国は、現在においてはこれ以上の緊張感の高まりを望んではいないように思われます。

 

一方、日米の政策金利という点では、今後の米国の利上げペースに対する憶測に加え、年内のバランスシート縮小懸念も高まってきており、この点においてはマーケットはドル買いに傾きやすいセンチメントになっていると考えられます。

 

これらのリスクオフの円買いと利上げによるドル買いの綱引きで、今週の米ドル/円も、結果的には110円台から111円台でのレンジ相場を予想しています。

なお、新年度入りしたとは言え本邦機関投資家の動向ということでは、世界的に不透明感のある現状においては積極的・本格的に円売りへは向かいにくく、海外投機筋に至っては、今週末がイースター休暇ということもあり、ポジション調整による円買いバイアスのかかりやすい一週間になりそうです。

 

【米ドル/円 週足チャート(TFX)】

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米ドル/円の週足チャートは、緑色で示した(2011年10月の安値から続く)長期上昇トレンド上で推移しており、現在は青色で示した(2017年12月の高値から続く)短期下降トレンド上で調整局面にあると見ています。

レジスタンスは13週移動平均線が位置する113.10前後と上向きの26週移動平均線が位置する112.10前後で、サポートは先週の安値110円前後や108半ばが意識されます。

ストキャスティクスは20%を割る水準まで低下しており、売られすぎ感が出ていますが週足の終値ベースで13週移動平均線を上回るまでは、戻り売りを考えたいところです。

 

【米ドル/円 日足チャート(TFX)】

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一方、米ドル/円の日足チャートは、一目の短期トレンドを計る指標である基準線が下向きで、中期トレンドを示唆する雲も右肩下がりになっています。

先週末、米ドル/円相場は反発はしたものの、直近の高値112.21を上回ることはできておらず今後もこの水準を上回ることができなければ引き続き戻り売りを考えたいところです。

目先のレジスタンスは転換線が位置する111.15。その上が112.21前後で、更に基準線や一目雲の下限が位置する112.80から113円前後も意識されやすい水準となります。

サポートは110.00-10で、ここを下回る場合は108円台半ばを目指すものと思われます。

17年04月10日 / 川合 美智子 氏

豪ドル/円;短期は弱気。中期トレンドは強気を維持。

(分析)

オーストラリア経済の景況感は引き続き安定しています。世界経済の足元に明るさが見えており、オーストラリアもここ数ヶ月間の輸出の伸びが顕著となっています。また、国内でも内需、消費に支えられる構造となっており、インフレ率が低水準にあるものの、景況感は引き続き良好です。しかし、外的要因によるリスク回避的な動きから3月は対ドル、対円ともに下落基調を強めており、この傾向は今暫く続く可能性が高いと見られます。

チャートを見ると日足は3/21の大陰線が短期トレンドに変化を生じさせており、上値を切り下げる流れに変化が認められません。この日足の上値抵抗は、84.80-90、86.10-20にあります。短期トレンドは86円超えに日足の実体を戻さない限り、強気転換しませんが、一方で80~82円ゾーンは中・長期的な下値抵抗として働く可能性の高いポイントであることから、徐々に下値余地も限られてくることが予想されます。日足の下値抵抗は83.10-20、82.00-10にあります。21日移動平均線は83.57に120日線は84.67にあり、現状は両者を下抜けて短期トレンドは豪ドル弱気の流れにありますが、200日線は81.97に位置しており、強い下値抵抗として働く可能性を示しています。

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一方直近の週足は85円台を維持出来ずに陰線引けとなり、週足の形状は一段と悪化していますが、31週移動平均線が4/7現在83.19に位置しており、これをかろうじて守って越週したこと、62週線も81.72に位置しており、中期トレンドをサポートしている状態にあることから、これらを一気に下抜けるにも無理があると見られます。しかし、日足、週足ともに形状が弱く、下値余地を残した形となっていること、31ヵ月移動平均線が86.86に位置しており、3月足もこれを上抜けきれずに反落していることから、反発に転じた場合でも戻り余地が限られ易く、上値余地を試した後は再び80~81円方向への一段の下落リスクに警戒が必要です。基本戦略は豪ドルの戻り売りが有効と見ています。週足の上値抵抗は84.20-30、85.00-10に、下値抵抗は83.00-10、81.70-80、80.00-10にあります。

 

(戦略)

今月の戦略は、豪ドル買いは今月いっぱい様子見か80円台までの押しがあれば買い狙い。損切りは79円割れで一旦撤退です。売りは84.70-80の戻り待ち。損切りは86.10で撤退です。


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