為替予想

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16年12月07日 / 水上 紀行 氏

主要通貨見通し(2016/12/07)

【ドル/円】

 

ドル/円 日足

ドル円 日足m20161207.jpg 

上記のチャートは、先月11月8日の米大統領選挙の前後からの一本調子の上昇を示し、いかに上げ圧力が強いことがわかります。

 

確かに、目先115円を目前にして、足踏みにはなっていますが、たとえてみれば、115円という蓋がされている窯の中で蒸気がどんどん溜まって行き、どこかのタイミングで蓋を押し開け、蒸気が吹き上がるような相場になるのではないかと見ています。

 

たぶん、私の見方が、大きく変わったことにお気づきのことと思いますが、如何せん上記のチャートのような、陽線がこれだけ連続すると、買いの強さを否定することはできず、行けるところまで行く相場ではないかと現在見ています。

 

しかも、上がっていく過程で、判ってきたことは、買わなければならないのに買えていない層の多さです。

 

つまり、輸入企業の輸入予約の遅れ、機関投資家のヘッジ外しの遅れ、そして、個人投資家層の買戻しの遅れなど、需給的に言えば、大幅にドル不足(ドル買い需要)になっています。

 

こうした買えていない状況の時に、下落に転ずることはかなり難しく、むしろ、115円を突破していく可能性が高いと見ています。

 

ドル/円 週足

ドル円 週足m20161207.jpg 

この週足チャートで注目して頂きたい点が、2点あります。

 

まず、1点目は、大きく見て、2014年代で左肩、2015年に頭(ヘッド)、2016年代に右肩形成、つまり、ヘッド・アンド・ショルダーを形成しようとしたものが、この11月からの急騰により、崩れてしまっています。

こうなると、ヘッドと肩の高さ分、上昇することになり、つまり、ざっくり言って、ヘッドが125円、肩が100円とすると、25円の高さ分を100円から上がる、つまり100円+25円=125円がターゲットになります。

 

また2点目としては、チャート右側の2016年代の動きです。

年初からどんどん下げて100円近辺へ、そして安値圏で横ばい、そして11月から反騰となっています。

これは、ラウンディング・ボトム(鍋底)と呼ばれる形状で、反発を示唆しています。

 

このボトムが100円、そしてネックラインと言って、鍋の口にあたるところが112円で、既にこれを上抜いているため、112円+(112円-100円)=124円あたりがターゲットとなっています。

 

つまり、これら2点から、テクニカル的には、124円あるいは125円あたりがターゲットとなっているものと思われます。

 

さて、需給からのドル買い需要については、すでに申し上げましたが、それ以外で、買いで挑んでくる可能性が高いのが米系ファンドです。

彼らは、2012年10月からのアベノミクスの時もそうでしたが千載一遇のチャンスともなれば、クリスマス休暇返上でも挑んできます。

 

2012年の場合は、なんと翌年の5月まで買い上げ、その間に26円もドル/円は上昇しました。

 

もちろん、今回も米系ファンドは、果敢にドル買いで攻めてきています。

しかし、戦いは、まだこれからです。

 

来年1月20日の大統領就任式、1月31日の一般教書演説、そして2月に入っての予算教書といった大統領の公的なスケジュールに加えて、就任後100日間のハネムーン期間など、まだまだ盛りだくさんな材料が待っており、ドル買いの手は緩めないものと思われます。

 

敢えて申し上げておきたいことは、先程申し上げた、124円あるいは125円は決して最終ターゲットだとは、今の段階では申し上げられません。

こうした、力強いワンウェイ(一歩通行)のマーケットは、あまりどこまで行くかということを意識しないことが大事です。

 

自分で天井を買って、確認するぐらいの気持ちでいることが良いように思います。

 

尚、今年の年末年始ですが、今年は、12月25日が日曜日のため、クリスマス返上とはなりませんが、クリスマス前後から動きがあわただしくなり、1月になって本格化する可能性はありますので、年末年始も、ある一定の緊張感を持っていることが大事だと思います。

 

 

【ユーロ/ドル】

 

ユーロ/ドル 週足

ユーロドル 週足m20161207.jpg 

イタリアの憲法改正の是非を問う国民投票は否決され、一時ユーロ売りは強まったものの、その後は反発となりました。

 

この背景には、コンプライアンス(法令順守)や規制強化などにより、銀行自体がもうポジションを以前のように積極的に張れなくなっていることがあります。

 

今回の場合も、国民投票否決で、ファンダメンタルズ的には、ユーロ売りですが、それを阻むように、世界的にもオプションを使って大きく相場を動かしているビッグ・プレーヤーが、1.0500を防戦した形跡があります。

 

こうなると、体力のない銀行は、下がらないとなれば、買戻さなければならなくなったということだと思います。

 

ただ、本来、ファンダメンタルズ的にも、それではおかしいという矛盾がある限りにおいては、いずれは、矛盾が是正される方向に向かうと見ており、最終的には、1.0000方向へ向かうものと見ています。

 

 

【ユーロ/円】

 

ユーロ/月足

ユーロ円 月足m20161207.jpg 

月足で見ると、6月から下げた分を、完全に戻した格好です。

 

目先、ドル/円の上昇に連れて、それがエクステンション(上昇が延長)する可能性があります。

 

ただし、今の相場はドル主導の相場だと思われますので、ユーロ/円として見ると、方向感がはっきりしないものと思われます。

 

しばらく、静観で行きたいと思います。

16年12月07日 / バカラ村 氏

「ドル円は長期的にはまだ上昇へ」

・期待と思惑で上昇中

 

11月9日の大統領選後、ドル円は上昇を続け114.81円まで上がりました。

トランプ次期大統領の政策である減税やインフラ支出や規制緩和が実施されるとの期待だけで13円以上もの上昇を続けています。

 

米10年債金利も2.49%まで急騰しており、節目とされる2.50%目前まで上がりました。

大統領選前までは、各国中央銀行の緩和策から、債券バブルの様相でしたが、その逆回転が起きての急騰です。

来年には3.0%を予想している参加者もいます。ドル円との相関性を考えると、ドル円は長期ではまだ上昇だといえます。

 

次期財務省長官にはスティーブン・ムニューチン氏に決まり、元ゴールドマン・サックス出身から、金融機関にとって良い政策を採るのではないかとの期待もあり、株式市場も堅調に推移しています。

 

 

・FOMCでは今後の利上げ回数が焦点に

 

来週14日の深夜はFOMCとイエレン議長の会見です。

ここでは0.25%の利上げが見込まれて、すでに織り込まれていることから、相場への影響は軽微になりそうです。

重要なのは今後の経済見通しや利上げペース、イエレン議長の会見になります。

 

来年の利上げの市場予想は2-3回となっており、これよりも少ないようであれば、ドルが下がることになりそうです。

また経済見通しも上方修正されると予想している向きが多いので、現状維持となれば、それもドルが下がることになります。

ただ、現在はトランプ次期大統領の政策期待相場なので、FOMCがトレンドを作るような材料にはならないと考えています。

 

 

・ユーロドルはまた1.05ドルで反発

 

今週月曜はイタリアの国民投票がありました。

憲法改正が否決され、レンツィ首相は辞任を表明し、ユーロは下落しました。

ユーロドルは1.0506ドルまで下がりました。

 

しかし否決されることは織り込まれていたこともあり、さらにチャート的には揉み合いのサポート付近ということもあり、ショートカバーで1.08ドル目前まで上がりました。

 

ユーロドルの1時間足です。

20161207ユーロドル1時間足.png 

 

ユーロドルは1.0500ドルと1.0800ドルに大きなオプションがあり、それに挟まれた動きをしています。

 

ユーロドルの週足です。

20161207ユーロドル週足.png 

 

長期的には1.05~1.15ドルのレンジであり、現在は長期の下降トレンド中の中段揉み合いだというイメージのままで考えています。

約2年間この水準で揉み合いを形成しており、今回の1.05ドルのサポートでの反発は、この揉み合いの最後の反発だと考えています。

 

 

ドル円の日足です。

20161207ドル円日足.png 

 

101円から114円まで上昇しており、115円で上値が止められています。

しばらく時間調整に入りそうになってきています。

ただ調整後は、上昇だと考えており、長期の上昇トレンドは継続だと考えています。

 

長期的には110円辺りまでを想定して押し目買いで、ターゲットは120円でいいのではないかと考えています。

 

短期的にはMACDのヒストグラムが間もなくゼロを下回ることになります。

ゼロを下回ってもすぐにドル円が下がるということではないですが、上昇トレンドが続いていてもゼロを下回った状態が3-4日続けば、そこが天井となってしまうことが多々あり、ここからの高値圏での買いは注意が必要だと考えています。

 

ただ、下がれば買いたいと思っている人も多いことから、下降トレンドになることは無いと考えています。

経済指標やFOMCなどのイベント時に下がれば、良い買い場になるのではないでしょうか。

 

したがって、高値圏では買ってはいけない時期に入ってきており、吹き上がりを短期で売るか、押し目を待って買う時期だと考えています。

 

当面は111-115円の中で、基本は押し目買いで考えています。

 

16年12月05日 / 川合 美智子 氏

豪ドル/円;短、中期ともに豪ドル強気 但し86円台が壁となる可能性

(分析)

オーストラリア経済は緩やかな拡大基調が継続中ですが、トランプ現象によるドル急騰の流れを受けて豪ドル/ドルは0.77台から一時0.73台まで急落しました。一方、円が全面安となったことから、豪ドル/円相場は80.50-60にあった中期的な上値抵抗を上抜けて、短・中期的な上昇トレンドに入っています。一方国内では、公共需要や、消費関連も好調さを維持しており、また、12/2に発表された9月の小売売上高も市場予想を超える好数値となりましたが、その前の11/30に発表され住宅建設許可件数が予想を遥かに下回る前月比▼12.8%となったため、今後の消費への悪影響等、先行きに若干不安材料も出て来ています。また、豪ドルのロングポジションがやや増えていることにも注意する必要がありそうです。

テクニカルには、9/15に付けた75.97で底打ち、下値を切り上げる流れに大きな変化が認められません。また、11/9のタクリ足の陰線が76円台の長期的な下値抵抗にぶつかった形となっており、80.50-60の抵抗も上抜けたことから、豪ドル/円は非常に強い上昇トレンドに乗せた格好となっています。84~86円ゾーンでの上値トライの動きが期待できますが、82円割れを見た場合は短期トレンドが変化してやや下値リスクが高くなります。また、86円台に長期的な上値抵抗が控えており、簡単には上抜けないでしょう。日足の上値抵抗は86.10-20に、下値抵抗は83.40-50、82.10-20にあります。12/2現在21日、120日線、200日移動平均線は82.37、78.72、80.08にあり、短・中期トレンドは豪ドル強気の流れにあります。

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一方週足も4週連続陽線引けとなり、2手前の陽線が31週、62週移動平均線を上抜けて新たな上昇トレンド入りした可能性が点灯中です。直近の陽線が上昇余力に欠けるものであるため、86円台の抵抗をこなし切れずに反落する可能性に注意が必要ですが、82円割れで越週しない限り、深い押しにもまだ繋がり難いと見られます。週足の上値抵抗は86.10-20に、下値抵抗は、82.00-20にあります。また、31週、62週移動平均線は78.65と81.88に位置しています。

月足も高値圏で引ける大陽線の出現となり、上値トライの可能性に繋げていますが、終値ベースでは84.70-80の月足の上値抵抗を抜け切れずに終えており、下値リスクを残した状態です。また、31ヵ月移動平均線が88.30に位置しており、続伸に繋げた場合でもこれを上抜け切れない可能性に注意が必要です。

 

(戦略)

短期トレンドが強い状態を維持していますが、個々の日足が強いものではないので、84円台の買いは様子見とし、買いは11月中の82.50-60の押し目待ちとします。損切りは82円割れで一旦撤退です。売りはトレンドの変化を確認するまで様子を見るか、86.00-20があれば売り向かい。損切りは86.60で浅めに撤退です。

 

16年12月05日 / 川合 美智子 氏

ユーロ/ドル;短期トレンドはユーロ弱気 1.1750超えで短期トレンドに変化

(分析)

「トランプ ショック」でドル全面高の様相となる中で、ユーロは対ドルでの下落基調を変えていません。

 

ユーロ圏経済が低空飛行状態にあることや不良債権を抱える金融機関の経営悪化懸念がユーロの上値余地を限られたものとしており、この傾向が大きく変化する可能性も低いと見られますが、ECBによる金融政策にも手詰まり感が強いことや、財政拡大を求める声も次第に強くなってきていることから、12月8日に開催されるECB理事会では量的緩和姿勢の修正が見られる可能性も念頭に置く必要がありそうです。QE延長か、或いはテーパリングの可能性が浮上するかどうかは、12/4のイタリア国民投票の結果で大きな政治字的な混乱に繋がるかどうかを見極めてからとなりそうですが、今後のECBの金融政策とユーロ相場を見極める上でも重要なイベントの一つになりそうです。また、短期的にはイタリア国民投票の結果を受けて、ユーロ売り先行の動きとなっていますが、ユーロが対ドルで2015年3月に付けた1.0463を下抜けて一段の下落に繋がるのか、1.0750超えを回復するかが鍵となりそうです。

日足を見ると、11/24に付けた1.0518を直近安値としてゆっくりと下値を切り上げていますが、短期トレンドには変化が認められず、ユーロの下落リスクがより高い状態に変わりありません。一方で、昨年12月に付けた1.0524の安値水準に近いポイントにあり、これを強く意識する動きとなっています。短期トレンドは1.0750-60の抵抗をクリアした場合は、ニュートラルな状態に戻して反発余地を探る動きが強まり易くなりますが、この場合でも1.1100超えで越週しない限り、強気に転換しません。逆に1.05割れで新たな下落リスクが点灯、1.0460割れを見た場合は一段のユーロ下落に繋がり易くなります。日足の上値抵抗は1.0730-50に、下値抵抗は1.0520-30にあります。21日移動平均線は1.0731にあり、この下で推移中ですが、1.0750超えに値を戻せば下値リスクが軽減されます。120日、200日線は1.1063と1.1140にあり、中期トレンドはユーロ弱気の流れに変化が認められません。

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一方、直近の週足は実体の小さい陽線引けとなり、単体では上昇余力の強いものではありませんが、前週に変化の兆しとされる寄せ線が出ていること、2015年3月の1.0463、2015年12月の1.0524、そして前述の1.0518と、中・長期的な横サポートの水準にあることから、下値を攻めきれずにトレンドの変化に繋がる可能性にも注意する必要がありそうです。しかし、週足の形状は改善しておらず、収縮中であった31週(1.1099)、62週移動平均線(1.1074)を大きく下抜けた位置で推移していること、3手前の陰線が新たな下落トレンド入りの形となったことから、下値リスクがより高い状態に変わりありません。

月足も11月足が上ヒゲの長い陰線引けとなり、上値トライに失敗した形で越月しており、12月の続落に注意する必要があるものです。また、1.1447に位置している31ヵ月移動平均線にも届かずに反落していることも、下値リスクが高い状態にあることを示しています。12月足の上値抵抗は1.0970-1.1000にあります。下値抵抗が1.0500-20にありますが、これを割り込んで越月した場合は1.0000方向への一段の下落リスクが点灯します。

(戦略)

今月の戦略は、ユーロ買いは様子見か、1.0750超えを見たら押し目買いに転換。但し、この場合でも1.0900~1.1000ゾーンの上値抵抗にも注意が必要です。ユーロ売りは1.06台での売り場探しの戦略で。損切りは1.0760で撤退です。

16年12月05日 / 川合 美智子 氏

ユーロ/円;短期はユーロ強気維持 119.50割れは下値リスク点灯

(分析)

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イタリアの国民投票の結果を受けた政治的混乱への思惑から12月5日のシドニー市場で、ユーロ/円は一時118円台後半まで急落しましたが、テクニカルには日足の下値抵抗が119.50-60にあり、これを割り込んで終えない限り、ユーロ売りも慎重に臨む必要があります。但し、日足の終値ベースで118円台を維持出来ない場合は、短期トレンドが変化してもう一段下値余地が拡がり易くなります。日足の上値抵抗は122.50-60、123.60-70に、下値抵抗は119.50-60、118.00-10にあります。21日、120日、200日移動平均線は117.83、115.06、118.53にあり、現状は全てを上抜けた状態を保っており、短・中期トレンドはユーロ強気の流れを変えていません。

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週足も4週連続陽線引けとなり、下値をしっかりと切り上げる流れを変えていません。また、直近の陽線が、2014値12月に付けた149.55を起点とする長期的なレジスタンスラインから頭一つ上抜けて越週しており、中・長期トレンドが変化する可能性が点灯しています。この週足の下値抵抗は120.00-10にありますが、119.80以下で越週した場合は上抜けの可能性を打消します。しかし、この場合でも週足の形状が崩れておらず、ニュートラルな状態を保つことになり、114円割れで越週しない限り、上値トライの可能性を残します。今週の週足ベースで見た強い上値抵抗は122.80-00に、下値抵抗は前述の120.00-10にあります。31週移動平均線は12/2現在116.39にあり、これを上抜けて中期トレンドはユーロ強気に変化していますが、62週移動平均線は122.83に位置しており、上値抵抗として働く可能性に注意が必要です。

 

一方月足は、11月足が高値引けの大陽線となり、114~115円台での低位揉み合いから抜け出した格好となっており、上値余地が拡がる可能性が点灯していますが、121.00-50ゾーンに月足の上値抵抗があり、これをしっかり上抜けて来るまでは反落の可能性にも注意する必要があります。月足の終値ベースで120.00近辺を守りきれるかどうかが鍵となりそうです。月足の下値抵抗は114.50~115.00にあります。31ヵ月移動平均線は129.96にあり、長期トレンドは下値リスクを残した状態です。

 

ポイント&フィギュアの200ポイントリバースチャートは11/10に116円超えを見て上方向へリバース中です。119.50割れで下方向へリバースしますが、115.00まではニュートラルな状態、114円割れで下値リスクが点灯、112円割れで続落に繋がり易くなります。P&Fの上値抵抗は124.00-124.50にあります。

 

(戦略)

今月の戦略は、119円台で押し目買い。損切りは118.90で一旦撤退です。ユーロ売りは様子見か、125.10に損切りを置くなら124.00~124.40ゾーンがあれば軽く試し売り程度に。

16年12月05日 / 川合 美智子 氏

ドル/円:ドル強気の流れが継続中。短期的にはトレンドの変化にも注意。

(分析) 

米10月の雇用統計は失業率が労働人口の減少を背景に4.6%と9年振りの低水準となりましたが、非農業部門就業者数が市場予想の+18~20万人を若干下回る+17.8万人に留まったことや、前月の数値が下方修正されたこと、労働賃金が予想に反して低下したことなどを受けてドルは伸び悩む展開となりました。11月9日の予想外の米大統領選挙結果を受けて、公約実行への期待感が先行、ここまで一本調子でのドル高、金利上昇、株価の上昇基調が続いて来ましたが、とりあえず一服感が出て来ることが予想されます。しかし、大幅なインフラ投資、減税実施への期待感はなお強く、財政拡大による景気浮揚策が金利上昇圧力に繋がるのとの思惑が払しょくされず、トランプ政権の閣僚人事を注視しつつ、上下動を繰り返す中で為替相場の落ち着きどころを探る展開が予想されます。

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テクニカルに見ると日足は、11/4以降で初めて2手連続陰線となりましたが、3手前の11/30の大陽線の値幅内にあることや、日足の下値抵抗も守った状態にあり、日足は下値を急角度で切り上げる流れを変えていません。一方で、114円台は中・長期的な上値抵抗の厚いポイントであることから、これを上抜けきれずに反落に転ずる可能性にも注意する必要があります。日足の下値抵抗は、113.30-40近辺にありますが、これを割り込んで終えた場合や、値動きの中で112.50割れを見た場合は、114円台で目先天井を確認して、調整下げに入る可能性が高くなります。この場合でも110円割れで越週しない限り、調整下げの範囲内に留まることや、基本トレンドがまだ強いので、ドル急落にも繋がり難いと見られます。また、日足の実体ベースで114.60-70を上抜けるか114.80-90の抵抗をクリアした場合はさらに1~2円程度上値余地が拡がり易くなります。但し、117~118円ゾーンには一段と強い上値抵抗があることから、117円超えはあれば一旦売り場となると見ています。日足の上値抵抗は114.50-60、115.50-60、116.80-00に、下値抵抗は113.30-40、112.50-60、110.80-00にあります。21日、120日、200日移動平均線は、12/2現在109.85、104.05、106.42に位置しており、短・中期トレンドはドル強気の流れにあります。

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一方週足は4週連続陽線引けとなり、下値を急角度で切り上げる流れを変えていませんが、直近の週足が上下にヒゲがあり、気迷い商状が出始めていることから、今週の上値トライで114.50-70の抵抗をクリアしきれない可能性にも注意が必要でしょう。また、昨年6月の125.86と今年6月に付けた99.02との大底からの61.8%戻しが115.60近辺となることから、続伸に繋がった場合でもこれを大きく上抜けるにも無理があると見ています。今週の週足ベースで見た上値抵抗は、114.50-60、115.50-60、117.00-10に、下値抵抗は110.10-20、108.00-20にあります。可能性はまだ低いものの、108円割れの越週となった場合は下値余地が更に拡がり易くなりますが、104.60~105.00ゾーンの抵抗は厚く、104円割れで越週しない限り、押しは再び買い場となるでしょう。31週、62週移動平均線は104.89と110.97に位置しており、両者を上抜けて強い状態にありますが、110円割れで越週した場合は下値リスクが点灯します。

 

月足を見ても11月足が高値圏で引ける大陽線となり、この足が長期的な下値ポイントである101円台にしっかりと跳ね返されています。この結果、中・長期的な下値抵抗が101円台に出来ており、101円割れの越月とならない限り、少なくとも今月中はドルの押し目買い戦略が有効となります。12月足の上値抵抗は117.00-50、118.80-00に、下値抵抗は110.50-60、106.50-107.00にあります。31ヵ月移動平均線は113.78にあり、現状はこれを上抜けきれておらず、下値リスクを内包した状態にあります。

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ポイント&フィギュアの200ポイントリバースチャートは11/30に113.50超えを見て上方向へリバース中です。112.50割れで下方向へリバースしますが、111.50まではニュートラル、111.00割れで下値リスクが点灯、110.00割れで下値余地が更に拡がる可能性が高くなります。P&Fの上値抵抗は116.50-117.00にあります。

 

(戦略)

今月の戦略は、ドル買いは様子見か102.40で一旦撤退。これが付いた場合の次のドル買いは108.00-20で押し目買い。損切りは106.70で一旦撤退です。これが付いた場合でも、104.60~105.00ゾーンに強い下値抵抗があります。ドル売りはトレンドの変化を確認するまで様子見です。但し、117.00超えはあれば一旦売り場。118円超えで一旦撤退です。これが付いた場合でも118.50-60は大きな壁。

 

今週のその他の米ドル/円の記事はこちら

16年12月05日 / 山口 哲也

12月5日週 今後の主要通貨ペア動向(米ドル/円以外)

ユーロ/米ドル 週足チャート

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先週のユーロ/米ドルは反発。前週に2015年3月以来となる1.0516までの下落を見たことや米雇用統計が市場予想に比べて弱めの結果だったこともあり1.0689まで買い戻される展開となりました。

引き続き週足チャートは依然として下降トレンドと読み取れ、イタリアの国民投票の結果やレンツィ首相の動向、また、ECB理事会の結果を確認しつつ、中長期的な観点では1.08ミドルをバックに戻り売りを考えたいところです。

なお、レジスタンスラインについては、先週お伝えした1.0850前後を見ていますが、11月7日週の高値1.1301から1.0516までの下落に対してのパーセントリトレースメントでは、1.0715前後(25%)、1.0780前後(33.3%)あたりもレジスタンスとしてみておきたいです。サポートは1.0520前後。

 

ユーロ/円 週足チャート

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先週のユーロ/円は続伸。終値は121.12で52週移動平均線が位置する120.842を上回って4週連続での陽線引けとなっています。

テクニカル的には、52週移動平均線が位置する120.85が意識され、赤い破線で引いた121.45がレジスタンスとしてイメージされます。

また、ストキャスティクスも下向きに変化しつつある点に注意が必要です。

サポートは上から順に120.85前後、118.50前後、116.30前後で、その下が115.25-60前後(26週移動平均線及び13週移動平均線)。

レジスタンスは124.50前後。

 

 

英ポンド/円 週足チャート

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先週の英ポンド円は続伸。今年6月以来となる145円台を一時回復し145.21まで上昇いたしました。

中長期的なスタンスでは52週、26週移動平均線が下向きとなっていることから下降トレンドと見ています。ただし、目先は151.70程度までの上昇は視野にいれておきたいところで、ストキャスティクスの%DがSlow%Dを下回るようなタイミングまで待ってから戻り売りを考えたいところです。

レジスタンスは145.00、その上が149.64で、サポートは135.02、その下が132.50前後。

 

 

豪ドル/円 週足チャート

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先週の豪ドル円は、30日のOPEC総会で原油減産が合意されたこともあり小幅続伸。

先週お伝えのとおり86.40-70が今後のレジスタンスになると思われ、ストキャスティクスも高い水準まで上昇してきているため、ここからの更なる上昇にはドライバーを欠く状態です。

したがって、今週は浅い押し目買いと浅目の利食い、また、大きく上昇した際には反落局面を狙うような取引が有効かと思われます。

サポートは52週移動平均線が位置する81前後。その下が、78.50前後。レジスタンスは86.40-70前後。

 

 

今週の米ドル/円予想についてはこちら

今週の「経済カレンダーと為替相場の注目点」についてはこちら

今週の「主要通貨ペアの予想レンジとトレンド」についてはこちら

16年12月05日 / 山口 哲也

今週の米ドル/円 ユーロ圏発のトピックによる値動きに?

先週の米ドル/円は小幅続伸

 

先週の米ドル/円はOPEC総会の減産合意などを受けてドル高で推移。

雇用統計は強弱入り混じる結果となりましたが、マーケットはやや弱気に受け取り、114.84まで上昇した米ドル/円は週末にかけて113.565まで値を戻す展開となりました。

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今週は、イタリアの国民投票の結果やECB理事会など、ユーロ発のニュースが材料視されやすく、特にイタリアの法改正をめぐる国民投票については、その結果にかかわらず、レンツィ首相がどのような判断を下すのかに注目です。

以下が想定される3つのシナリオで、

・レンツィ首相継続 ⇒ マーケットには安心感が広がりユーロは買い戻されやすい

・レンツィ首相辞任、連立与党から次期首相選出 ⇒ 中立

・レンツィ首相辞任、議会解散 ⇒ イタリアのユーロ離脱懸念が高まりユーロは売られやすい

 

また、ECB理事会においては来年3月までとなっている資産買入の延長の是非に注目で、延長される場合は追加緩和と認識されてユーロは売られやすくなります。

 

週足チャートは、先週のローソクが上ひげ下ひげともやや長めで実体の小さな陽線となっていることから、気迷い状態。大統領選以降の上昇に対して一服感が出ていますが、引き続き値ごろ感からの売りは控え、押し目買いを考えていきたいところです。

 

米ドル/円 押し目待ちに押し目無し?

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 米ドル/円の日足チャートは、一目基準線、及び転換線、一目の雲ともに上昇トレンドを示唆しており、200日移動平均線は横ばいながらも価格は200日移動平均線の上側で推移していることから、中長期的な上昇を見ています。

ストキャスティクスも先週から引き続いて100%付近で張り付いており、先週ご案内のとおりスピード調整的な動きが出て来ています。

今週はイタリア国民投票の結果につづいては、要人発言、ECB理事会に注目しており、対ユーロでの米ドルと日本円の動向に注意が必要です。

 

目先のサポートは上から順に112.55前後(一目転換線)、111.35前後、108前後(一目基準線)を考えています。

 

 

今週の主要通貨予想(米ドル/円以外)についてはこちら

今週の「経済カレンダーと為替相場の注目点」についてはこちら

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16年12月05日 / 山口 哲也

今週の経済カレンダーと為替相場の注目点(12月5日~12月9日)

下のグラフは12月2日の終値と11月25日の終値を利用して計算した先週の円に対する主要通貨の騰落率を示したものになります。

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大統領選が終わってから、相対的な通貨の強さと言うことでは、日本円は約1ヵ月間連続(週足ベース)で下から2番目に弱いという位置に定着しています。

 

先週末の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比17.8万人増(市場予想:18万人増)で、前回分が16.1万人増から14.2万人増に下方修正されました。

また、失業率は4.6%(市場予想:4.9%)、平均時給は前月比-0.1%(市場予想+0.2%)と全体的には強弱まちまちとなっています。

特に平均時給が市場予想よりも弱かったことを受けて、米長期金利は下落、米ドルはやや売られる展開となりました。

 

また、注目されていた11月30日のOPEC総会に関しては減産が決定され、原油を始めとしたオイルやメタル系のコモディティ価格は上昇しています。

なお、今週は以下のようなスケジュールになっています。

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【黒田総裁発言】

月曜日に帝国ホテルでおこなわれる第20回paris-europlace金融フォーラムで、黒田日銀総裁とフランソワ・ビルロワドガローフランス中銀総裁がおこなう講演には、昨年に引き続き、私も聴講予定です。

以下のリンクで発言内容について何かしら発信するかもしれません。

 ・Global FX Community | インヴァスト証券 | Facebook

 ・Twitter(tetsuya_yamaguc:インヴァスト証券 山口哲也公式)

(なにかあればロイターやブルームバーグ、時事通信などよりもはやく配信したいです!)

 

【ユーロ圏発のリスクオフや追加緩和】

週明けのイタリアの国民投票の結果は現時点(12月3日時点)ではわかりませんが、この結果や、ECB理事会にも注目です。

国民投票の結果の如何にかかわらず、レンツィ首相が辞任を表明するようであれば、ユーロ圏で4番目に大きな国であるイタリアがユーロ離脱するかもしれないという心理がマーケットに働く可能性があります。

 

また、ECB理事会では17年3月までとなっている資産買入の期限を延長するのかどうかを決定するといわれていますが、11月24日にはビルロワドガローフランス中銀総裁が、今後の資産買入れプログラムに関しての決定は12月のECB理事会以外でもおこなわれる可能性があると発言しており、月曜日の帝国ホテルでの講演時に何かヒントがあるかどうかをしっかり聞いて来たいと思っています。

 

【豪中銀理事会、カナダ中銀金融政策委員会】

ECB理事会以外にも、豪中銀理事会やカナダ中銀金融政策委員会もありますが、市場予想では金利据え置きが予想されており、個人的にも変更は無いと考えます。

 

【イタリアのユーロ離脱懸念も燻る】

今週末12月4日(日)にはイタリアの国民投票があります。

 

今回の国民投票はイタリア国会の議席など、憲法改正の是非を問う国民投票になりますが、イタリアのレンツィ首相は、国民投票の結果、憲法改正が否決された場合、辞任する可能性を示唆しています。

イタリアの国民投票が否決となる場合、レンツィ首相が議会を解散することも可能性は低いものの想定され、その場合、ユーロ離脱を支持する五つ星運動が第1党に躍進するかもしれないというのが現在の状況です。

イタリアの選挙は現地時間で12月4日午前7時から午後11時までとなっており、即日開票となります。

日本時間においては12月5日の朝方には大勢が判明すると考えられますが、結果動向によっては、為替、債券、株式市場が大きく変動して始まる可能性があり注意が必要です。

 

 

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16年12月01日 / 山口 哲也

アメリカの雇用統計はどうなる!?週明けまでの為替相場の挙動は!

今週末、12月2日に米11月雇用統計が発表されます。

個人的には今週末の雇用統計は市場予想よりも強いものがイメージされ、その場合12月2日の時点で米ドルは買われる動きになると考えています。

ただし、仮に雇用統計が強かった場合であっても、土曜日にかけてはポジション調整の動きには注意が必要です。

 

今週末はイタリアの国民投票を控えており、この結果によっては、週明けの為替相場はスプレッドの拡大や乱高下する可能性があります。

 

そのため、今回の雇用統計などの流れから短期的な売買のつもりでポジションを持った場合であれば、雇用統計の結果を見た後、ベッドにもぐりこむ前までにはポジションを縮小しておいた方が良さそうです。

 

雇用統計について

今回発表される11月の雇用統計は、月曜日の記事でもお伝えのとおり、比較的季節的な要因もあってか、過去の結果は以下のとおり市場予想よりも強めの結果になっていることが多いです。

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また、11月30日に発表された11月のADP全米雇用報告も市場予想平均の17万人増に対し結果が21.6万人増と強い結果となっています。

 

11月雇用統計の市場予想

非農業部門雇用者数 +18万人(最高値+25万人、最低値+14万人)

失業率 4.9%(最低値4.8%、最低値5.0%)

平均時給[前月比] +0.2%(最低値+0.1%、最高値+0.4%)

 

 

イタリアの国民投票について

今回のイタリアの国民投票の意図は、上院の権限を制限して下院の権限を強くし国会での法案を通しやすくするものなので、この国民投票の内容自体について賛成多数でも反対多数でもマーケットが不安になることはありません。

それでは何故イタリアの国民投票がマーケットにとって意識されているのかというと、この国民投票が否決された場合、レンツィ首相が辞任すると言っているからです。

 

レンツィ首相辞任の際に考えられるシナリオは主に2つ。

1つは現在の連立与党の中から、新たに首相が選ばれる。もう1つは議会を解散して総選挙がおこなわれる場合。

特に後者となると総選挙がおこなわれ、EU懐疑派の五つ星運動が政権を握る可能性があるということです。そしてそうなるとイギリスと同様にEU離脱を問う国民投票がおこなわれる可能性が高く、ドイツ、イギリス、フランスに次いで経済規模も人口も4番目になるイタリアもEUを離脱するとなると、来年のフランス大統領選やドイツの総選挙もドミノ倒しのように、他の国でもEU懐疑派が躍進しかねないとう懸念が募ってきます。

 

なお、五つ星運動は2013年のイタリア総選挙では単独政党としては第2党となっており、今年はヴィルジニア=ラッジ・ローマ市長、キアラ=アッペンディーノ・トリノ市長を輩出しています。

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ヴィルジニア・ラッジ ローマ市長(ウィキペディアより)

 

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キアラ=アッペンディーノ・トリノ市長(ウィキペディアより)

 

イタリアの国民投票は12月4日に行われて即日開票されますが、その結果は日本時間12月5日の午前7時頃に大勢が判明するということです。

週末からギャップアップやギャップダウンリスクがあること、また、この時間帯は流動性も低く、スプレッドも拡大する可能性があることから、短期的な取引をしている機関投資家は週末の内にポジションを縮小するものと思われます。

 

長期的な観点でレバレッジを低めに投資をしている人はそれほど気にすることも無いのかもしれませんが、超短期的な売買をされていらっしゃる方はポジションサイズを見直して、週明けのリスクに備えて週末を迎えたいところです。

 

 

 

ちなみに、今週初めフランスでは、EU懐疑派の国民戦線からジャン=マリーヌ・ル・ペン党首が大統領選に出馬することが決まりました。

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マリーヌ・・ル・ペン党首(ウィキペディアより)

来年春のフランス大統領選でも、フランスのEU離脱懸念がマーケットの焦点になってくるかもしれません。


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