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17年01月16日 / 山口 哲也

米ドル/円は週末にトランプ大統領就任式典を控え弱含みか?

おはようございます。

インヴァスト証券の山口です。

先々週の雇用統計の後、円は幅広い通貨で強含みで推移しています。

 

下の棒グラフは、1月6日の終値と今年1月13日の終値を利用して計算した先週の日本円に対する主要通貨の騰落率を示したものになります。

(日本円を0%として、プラスは円よりも強い通貨、マイナスは円よりも弱い通貨)

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特に先週はハードブレグジット懸念からリスクオフにより日本円が買われる展開となりました。

上記に加えて、先週は当選後初となるトランプ次期大統領の記者会見ありましたが、具体策に乏しかったことや通商政策については中国やメキシコと並び日本も名前が上がったことなどにより、米長期金利が低下、米ドルはトルコリラと英ポンド以外の幅広い通貨に対して売られる展開となりました。

もっとも、今回のトランプ次期大統領の記者会見については、主にトランプ次期大統領が、納税証明書の件や自身が経営する企業と大統領としての利害関係などの説明のためにおこなわれるものでしたので、どちらかと言えばマーケットの方が、今回の会見に対して通商政策、財政政策についての言及への過度な期待があったものと考えられます。(今週末の大統領就任演説も同じだと思いますが・・・)

 

【大統領就任式典での演説】

下の表は今週の主要経済イベントなります。

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特に注目されるのは20日の米大統領就任式典です。

式典は米東部標準時で20日11時半に開会し、開会式や合唱などがあり、まず、ペンス次期副大統領が就任。

その後12時(日本時間21日午前2時)にトランプ氏が宣誓をおこない第45代大統領に就任、その後、就任演説がおこなわれます。

 

ここでも具体的な政策について突っ込んだ話は無いと想定され、個人的には、長期的な相場をイメージする上で、この演説では、選挙戦でトランプ支持とヒラリー支持、言いかえれば反トランプ派と反ヒラリー派に分断された米国内に一体感が出てくるのかどうかといった、米国内の雰囲気の変化に注目しています。

(短期的な相場については、マーケットは今回の就任演説についても過度の期待感を持っていると考えられるため、就任演説においてトランプ政策が概論的な内容だった場合、期待の剥落=ドル売りが起こりやすいと考えます。)

 

また、大統領就任式以外には、英国のメイ首相の演説が17日に、ECB理事会が19日に、イエレンFRB議長の講演が19日にサンフランシスコで、20日にスタンフォード大であり、また、他のFEDメンバーの講演も多く予定されているため、今週は各国の要人発言にも注意が必要です。

・1/17 22:45 ダドリー米NY連銀総裁講演

・1/18 08:00 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁講演

・1/19 01:00 イエレンFRB議長講演

・1/19 05:00 イエレンFRB議長講演

・1/20 10:00 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁講演

・1/20 23:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演

・1/21 03:00 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁講演

特に17日のメイ首相の演説については、イギリスのユーロ離脱へ方針が明らかになるとの思惑があり、要注意です。

 

 

【米ドル/円 月足チャート】

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米ドル/円の月足については、これまでの記事でもお伝えのとおり2011年の75.55を底値にする上昇トレンド(緑色の平行線)にあると考えられ、この傾きが米ドル/円の長期の巡航速度とみています。

 

なお、先週末の終値は114.595で、12カ月移動平均線(108.57)、48カ月移動平均線(109.17)の上側に位置していますが、先週、に位置する24カ月移動平均線(114.95)を割る展開となっており、長期的な視点では上昇、短期的には弱含みという見立てをしています。

 

【米ドル/円 週足チャート】

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週足も先週の終値(114.595)は13週、26週、52週移動平均線のそれぞれの上側に位置していますが、115円を割ったことで「ダブルトップ」のような形状となっており、ストキャスティクスが高い水準からやや下向きになっていることから、当面はスピード調整が続きそうです。

 

なお、米ドル/円の週足でのサポートは13週移動平均線の位置する112.70前後で、この水準を割る場合にはダブルトップの目標価格となる111.40前後まで下落する可能性があります。

 

【米ドル/円 日足チャート】

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日足チャートは、右肩上がりの一目の雲と基準線(青い線)に対し、日々線は基準線と転換線を割り込み、更に、遅行スパンも日々線を割り込みつつあり、ストキャスティクスも弱いモメンタムを示しているため、中長期的は上昇、目先は弱含みと見ています。

目先のレジスタンスは114.70-80前後、その上が116.00。また、サポートは今週末にかけて111.30から114円に上昇する雲の上限で、これを下回る場合は、雲の下限が108.15から110.00に上昇する雲の下限を見ています。

 

 

【ユーロ/米ドル 週足】

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ユーロ/米ドルの週足は以前からご案内のとおり、上記の緑色の背景の下降トレンド内での推移となっており、赤い水平線内でスピード調整が続いているものと考えられます。

 

今週はECB理事会がありますが、昨年12月のECB理事会では買い入れ期間の延長(2017年3月から2017年12月末へ、買い入れ規模は800億ユーロから600億ユーロに減少)による追加緩和が決定されたため、今回のECB理事会で金融政策の変更は無いと考えられます。

ただし、先週12日に発表された12月ECB理事会の議事要旨をみると、景気悪化となる場合は期限を更に延長させることや資産買入規模を増やすことも議論された一方で、複数のメンバーが買い入れ期間の延長については反対意見だったこともあり、追加緩和観測が後退する場合には、これまで売られてきたユーロが買い戻される可能性があります。

 

テクニカル的には13週移動平均線が位置する1.0660前後が目先のレジスタンスと考えられますが、これを上回る場合には1.09ドル付近まで上昇する可能もあるため、特にECB理事会後のドラギ総裁の会見には要注意です。

 

 

【ユーロ/円 週足】

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先週、対ドルで強かったユーロですが、対円では弱含みで推移しています。

昨年末以降は、概ね122円から124円程度での保ち合いが続いておりましたが、先週末は一時121円195まで下落しています。

英国のハードブレグジットも懸念される中、ストキャスティクスも高い水準で下向きになっています。

目先は52週移動平均線や13週移動平均線が位置する120円処が下値目処となりそうですが、リスクオフによる円買いには注意が必要です。

 

 

【英ポンド/ドルと英ポンド/円 週足 17日はメイ首相の演説に注意】

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今週17日のメイ首相の演説を控え、イギリスのハードブレグジット懸念により英ポンドは下落基調となっています。

 

英ポンドは先週、冒頭のグラフでもお伝えのとおりハードカレンシー(米ドル、ユーロ、英ポンド、日本円、豪ドル)の中で最も弱かった通貨になりますが、今週17日のメイ首相がおこなう演説の内容によっては、更なる下落の可能性もあり注意が必要です。

 

また、この演説の結果、マーケットが懸念しているとおりハードブレグジットが現実的となる場合、リスクオフによって、対英ポンドのみならず広く円買いとなる可能性があります。

 

 

【ピボットによる今週の主要通貨の予想レンジとトレンド】

今週の主要通貨の予想レンジとトレンドです。仕掛け作成の上で参考にしてください。

なお、予想レンジは週足のPIVOTを利用して算出しています。トレンドは200日移動平均線と一目均衡表から上昇トレンドなら「↑」、下降トレンドなら「↓」で示しています。

(PIVOTの算出、200日移動平均線と一目均衡表の判定は東京金融取引所くりっく365の為替レート及びチャートを利用しています。)

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※PIVOTとは・・ J.W.ワイルダーが考案した「リアクション・トレンドシステム」のことで、一般的にはPIVOT(ピボット)と呼ばれています。

※PIVOTの使い方

 四本値から算出された価格から2つのモードで使い分けをします。

 1.リアクションモード

   保ち合い相場(横ばいトレンド)を想定して、B1・B2で買い、S1・S2で売ります。

   上記の表の予想レンジ1はB1とS1で、予想レンジ2はB2とS2で想定レンジ幅を表示しています。

 2.トレンドモード

   LBOP(ロウ・ブレイク・アウト・ポイント)を下回ったら下降トレンド、HBOP(ハイ・ブレイク・アウト・ポイント)を上回ったら上昇トレンドと想定(リアクションモードでの取引は停止)して、取引をおこないます。

17年01月11日 / 水上 紀行 氏

主要通貨見通し(2017/01/11)

【ドル/円】

ドル円 月足m20170111.jpg

ドル/円 月足

 

トランプ次期大統領の記者会見が、11日とも12日とも言われていますが、いずれしても、間近に迫っていることは確かで、これ対して油断は禁物です。

しかし、ここ半年ぐらいは113円~123円ぐらいのレンジ相場続くのではないかと、個人的には考えています。

 

その理由は、特に投資家筋の投資方針が今の段階では決まらないと見ているからです。

 

ここでいう投資家とは、政府系ファンドや、年金運用機関であるペンション・ファンド、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や生保をはじめとする機関投資家、そして中央銀行などを指し、ひとたび、運用方針が決まれば、怒涛のごとく一方通行の資金移動を行うマーケット参加者です。

 

ただ、公的あるいは準公的な集団ですので、かなり慎重で、実際の運用を始めるまでには、結構時間を掛け、場合よっては4~5カ月ぐらいを要することも、稀ではありません。

 

今月20日には大統領就任式がありますが、たぶん就任式をやったからと言って、彼らが運用方針を決めるとは思いません。

 

なぜなら、トランプ氏が施政方針を決めたから投資開始とは行かず、トランプ政権が実際どのような行動を取るのかを、やはり4~5カ月ぐらい見てからではないと、投資方針は決めないものと考えられるからです。

 

そうすると、この間のドル/円は投資家からの一方向のフロー(資金の流れ)がないため、トレンド相場は形成されにくくレンジ相場が続きやすいものと思われます。

 

しかも、もしトランプ氏が今後もツイッターでつぶやき続けるのであれば、レンジ相場の中でかなり乱高下する可能性があり、うまく立ち回らないと、大きな痛手を被ることになりかねませんので警戒が必要です。

 

それでは、4~5カ月経過後の相場がどうなるかについてですが、個人的にはドルは再び下がると見ています。

 

なぜなら、基本的にドル/円が高値圏を維持するには米ドルの買い支えが必要だからです。

 

しかし、現在、日本の貿易収支は黒字に戻っており、2012年~2015年頃の貿易赤字によるドル買いにはなっていません。

 

また、恐らく4~5カ月後、機関投資家筋も積極的にドルを買う地合いにはなっていないものと思われます。

 

つまり、ドル円を高いところで買い続けるほどの理由が無いと考えているということです。

 

それよりも、投機筋のロングポジションができている分、逆に下げやすくはなっていると思われます。

 

また、テクニカル的にこれから4~5カ月間高値を維持するとちょっと2015年代の高値圏ほどの高さにはならないと思いますが、ふたつ目の山がひとつ目の山より低いドル/円にありがちな変形ダブルトップを形成し、それで上げ切れなければ100円に向けて下落を開始するものと思われます。

 

そして、来年以降はさらに75~80円近辺まで下落するものと見ています。

したがいまして、いずれ再び、政府・日銀との対決の時が訪れるものと考えます。

 

【ユーロ/ドル】

ユーロドル 月足m20170111.jpg

ユーロ/ドル 月足

 

ユーロ/ドルは2014年5月から2015年2月までの間に3500ポイントもの急落を見ましたが、2015年2月から現在まで、ほぼレンジ相場となっていました。

ここに来て今までの1.0500~1.1500の1000ポイントレンジを下に割り込んで、既に下落の兆候が出ているものと見ています。

ただ、すんなりとは下がらないところを見ると、ここから下の水準にはオプション絡みの防戦買いがあると考えられます。

 

しかし、防戦買いは結局「形あるものは必ず崩れる」の例えではありませんが、下に抜けていくものと考えられます。

 

既に、ご案内のようにこれまでのレンジが1.0500~1.1500ドルで、1.0500ドル割れてきていますので、ここから更に1000ポイントのスライドをすると1.0500-(1.1500-1.0500)=0.9500近辺がターゲットとなるものと見ています。

もちろん、1ユーロ=1.0000ドル水準(パリティー、等価)も、サポートではありますが、今や心理的抵抗線に過ぎないと見ています。

 

【ユーロ/円】

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ユーロ/円 月足

 

昨年11月の米大統領選がきっかけとなり、それまで順調に下げてきたユーロ/円も大幅反発となっています。

しかしながら、依然として95円~100円近辺への下落の可能性は、否定されていないものと見ています。

 

今年は、ユーロ圏では選挙が続きます。

今や、ポピュリズム(大衆迎合主義の政治)が、移民問題と共に台頭するユーロ圏各地ではEU離脱の声が高まっており、非常に不安定な状態になる可能性は高く、ユーロは、対ドルのみならず、対円でも下落を再開するものと思われます。

17年01月10日 / 川合 美智子 氏

豪ドル/円;短、中期ともに豪ドル強気の流れ。但し86円台が壁となる可能性にも注意。

(分析)

トランプラリーによるドル全面高の流れの中で、豪ドルは対ドルで大きく値を崩しましたが、円の独歩安となったことから、豪ドル/円は底堅く推移しています。

14日の米利上げ後に調整的な押しが入りましたが、オーストラリア経済自体には大きな不安材料が見当たらず、鉱山関連の回復の兆しや、小売り、消費関連も好調さを維持していることから、現状下での大幅な豪ドル安にも繋がり難いと見られます。

チャートを見ると、12/29に付けた83.75を起点として反転、上昇の流れに乗せていますが、85.70-80、86.30-50にやや強い上値抵抗が控えており、これらをしっかり上抜けて来ないと上値余地も拡がり難い状態です。

逆に83.80-00にある下値抵抗を守りきれずに終えた場合は下値リスクがやや高くなり、一段の下落に繋がり易くなります。

21日移動平均線は85.21にあり、これを挟んで推移しており、下値リスクを残した状態にありますが、120日、200日線は80.23と80.15に位置しており、中期トレンドは豪ドル強気の流れにあります。

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一方直近の週足は小陽線で終えており、上昇余力にやや欠けるものですが、下値を切り上げる流れを維持しています。

この週足の下値抵抗は84.00-10、83.10-20にあります。全て下抜けて越週した場合は新たな下値リスクが点灯します。

週足の上値抵抗は86.30-50にあります。31週、62週移動平均線は79.85と81.74にあり、中・長期トレンドは豪ドル強気の流れを維持しています。

一方1月足は上ヒゲがやや長く実体の小さい陰線引けとなり、続伸には繋げられずに終えています。

また、上値トライにも失敗しており、単体ではやや下値リスクの高いものですが、11月の大陽線が中期トレンドに変化を生じさせており、基本戦略は豪ドルの押し目買いが有効であることを示しています。

月足の上値抵抗は89.00-10に、下値抵抗は80.00-20にあります。一方で、31ヵ月移動平均線が87.96に位置していることや、88~90円ゾーンは超長期的な上値抵抗ゾーンであることから、上昇の流れに乗せた場合でも、88円超えが壁となる可能性にも注意が必要です。

 

(戦略)

買いは84.60-70で押し目買い。損切りは下値リスクが点灯する83.80で一旦撤退です。売りは様子見か、86.30-50で戻り売り。損切りは87.60で撤退です。

17年01月10日 / 川合 美智子 氏

ユーロ/ドル:目先はユーロの反発余地を探る動きだが、週足は戻り売りを支持。

(分析)

トランプラリーによるドル全面高の流れの中で、ユーロも一時1.0341まで下落しましたが、先週は、ドイツの12月消費者物価指数速報値が前年比+1.7%、ユーロ圏の12月消費者物価指数速報値が前年比+1.1%へと伸び率がやや拡大したことなどを受けて、欧米金利差拡大観測がやや後退しており、ユーロも対ドルで一時1.06台を回復する場面が見られました。

イタリア、ドイツの金融機関の不良債権問題や、ECBによる金融政策の手詰まり感、BREXIT交渉難航の可能性など、ユーロ圏の不安材料が多い中でユーロの大幅反発にも繋がり難いと見られますが、短期的には1/20の米大統領就任前にポジション調整の動きが先行してユーロの一段高に繋がる可能性もありそうです。

日足を見ると、11/9に付けた1.1300を直近高値として上値を切り下げる流れから、1/5の陽線が頭一つ上抜けており、短期トレンドに変化が生じています。

この日足のサポートは1.0400-10に位置しており、1.04台を再び割り込まない限り、上値トライの可能性を残した状態です。

日足の上値抵抗は1.0650-60、1.0750-60に、下値抵抗は前述の1.0400-10にあります。21日移動平均線は1.0488に位置しており、若干上抜け始めていますが"ダマシ"の範囲内に、120日、200日線は、1.0941と1.1063にあり、中期トレンドはユーロ弱気の流れに変化が認められません。

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一方、週足は実体の小さい陽線が連続していますが、いずれも上昇余力に欠けるものです。一方で、この揉み合いの間に1.0380-00の足元がしっかりとしており、これを割り込んで越週しない限り、下値余地も拡がり難い状態となっています。

週足の上値抵抗は1.0820-1.0850に、下値抵抗は1.0360-1.0400にあります。31週、62種移動平均線は1.0952と1.1016に位置しており、中・長期トレンドはユーロ弱気の流れにあります。

月足も12月足は実体が小さいながらも陰線引けとなり、上値を切り下げる流れに変化が認められません。

この月足の上値抵抗は1.0970-1.1000にあり、これを上抜けて越月しない限り、下値リスクが軽減されません。31ヵ月移動平均線も1.1340にあり、上値を押え込んでいます。

 

(戦略)

今月の戦略は、ユーロ買いは様子見か、1.0500-10で軽く押し目買い。下値余地を1.0430-40近辺まで見て置く必要があります。損切りを浅くするなら1.0390.深い場合は1.0340で撤退です。ユーロ売りは1.0750-60の戻待ち。損切りは1.0860で撤退です。

17年01月10日 / 川合 美智子 氏

ユーロ/円:レジスタンスは124.50-60、サポートは121.00、レンジブレイクに注意!

(分析)

ユーロ/円は、日足が122~124円ゾーンで揉み合い状態が続いていますが、10/21に付けた112.61を起点とするサポートラインの下値抵抗が121.30-40にあり、これを下抜けて終えるか、121.00割れを見ない限り、下値余地も拡がり難い状態にあります。

一方で12/15に付けた124.10を直近高値として上値を切り下げる流れからも上抜けきれておらず、124円台に日足の実体を戻すか、124.50-60の上値抵抗をクリアしない限り、上値も抑えられる展開が予想されます。

しかし、値動きの収縮が見られることから近々に一方向へ抜け出す可能性にも注意が必要でしょう。

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日足の上値抵抗は123.70-80、124.00-10に下値抵抗は121.30-40にあります。21日移動平均線は122.59にあり、若干上抜けていますが"ダマシ"の範囲内です。120日、200日線は116.50と118.15に位置しており、中期トレンドをサポートしています。

 

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一方週足は、2週連続して実体の小さい陽線引けとなり、上値トライの可能性に繋げていますが、いずれも上昇余力に乏しいものです。

反落の可能性にも注意が必要ですが、週足ベースで見た強い下値抵抗が121.80-00に出来ており、これを割り込んで越週しない限り、下値余地も拡がり難い状態です。

但し、121.50割れで越週した場合は下値リスクが点灯、一段の下落に繋がり易くなります。

この場合でも、2014年12月に付けた149.55を起点とするトレンドラインからは上抜けた位置で推移しており、この下値抵抗が118円台前半にあることから118円割れで越週しない限り、突っ込み売りにも注意が必要でしょう。逆に124円超えで越週するか124.50-60の抵抗をクリアした場合は125~127円ゾーンにある一段と強い抵抗をトライする動きが強まり易くなります。

週足の上値抵抗は123.80-00に、下値抵抗は118.10-20にあります。31週、62週移動平均線は116.51と121.72にあり、両者を上抜けた位置にありますが、121.00割れで越週した場合は下値リスクが点灯します。

一方月足は、12月足が値幅の小さい陽線引けとなり、上値トライの可能性を残して越月しましたが、月足の上値抵抗である123.10-20を上抜けきれずに終えており、上値を追い切れずに反落に転ずる可能性にも注意する必要があります。

また、31ヵ月移動平均線が129.51に位置しており、長期トレンドが強いわけではないので、ユーロ急伸にも繋がり難いと見られます。しかし、この12月足が、2014年12月に付けた149.55を起点として上値を切り下げて来た流れからは頭一つ上抜けた位置で越月しており、この月足の下値抵抗が118.50-00にあることから、118円割れの越月とならない限り、下値余地も拡がり難いでしょう。

また、125.50超えで越月した場合は、長期的なポイントである129~130円をトライする動きに繋がり易くなります。逆に118円割れの越月となった場合は、12月の陽線が"ダマシ"であった可能性が高くなり、110円方向への一段のユーロ下落に繋がり易くなります。1月足の上値抵抗は128.20-50に、下値抵抗は118.50-00にある。

ポイント&フィギュアの200ポイントリバースチャートは12/19に122円割れを見て下方向へリバース中ですが、121.00まではニュートラルな状態を維持、120.50割れで下値リスクが点灯します。逆に124.00超えで上方向へリバースしますが、124.50超えでユーロやや強気に変化します。

 

(戦略)

今月の戦略は、122.00-10で押し目買い。損切りは120.90で一旦撤退です。ユーロ売りは123.70-80で戻り売り。損切りを浅くするなら124.10、深い場合は一段の上昇の可能性が点灯する124.60で撤退です。

17年01月10日 / 川合 美智子 氏

ドル/円:ドル強気の流れが継続中。短期的には調整下げの動きにも注意。

(分析)

米11月の雇用統計は失業率が予想通りの4.7%、非農業部門就業者数が市場予想より悪い+15.6万人に留まりましたが、前月分が+17.8万人から+20.4万人に上方修正されたことや、労働賃金の上昇率が+0.4%と予想より良かったことが好感されて、117円台に戻して越週しています。

トランプラリーに一服感が出ている中で、日米金利差の拡大傾向も落ち着き始めていることから、一方調子のドル高にも歯止めがかかる可能性が点灯しています。

一方で、米景気については昨年央までのまだら模様であった経済指標にも明るさが見えており、製造業、非製造業ともに改善傾向を示していること、消費関連指標にも不安材料も見当たらない状況にあり、FRBの利上げについても年2-3回実施されるとの観測がさらに強まっています。

一方で、12月13-14日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録にドル高リスクへの言及があったことや、トランプ大統領就任後の経済政策についてはまだ不透明な点も多く、一本調子で進んできたドル高に対する調整的な動きにも注意する必要がありそうです。

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テクニカルに見ると、日足は、12/15に付けた118.66と1/3に付けた118.60で短期的な二番天井を確認して調整下げ局目に入った可能性生じています。

中期トレンドが非常に強い状態にあることや、1/6の日足が前日の下げを切り返す大陽線となったことで、115円台前半までの浅い調整下げに終わった可能性もありますが、一方で118円台には長期的な上値抵抗ポイントでもあることから、118円台の抵抗をしっかり上抜けて119円超えで越週するか、119.30-40の抵抗をクリアしない限り、調整下げが一巡したとは認められません。

日足の上値抵抗は117.50-60と118.20-30に、下値抵抗は115.70-80と115.20-30にあります。

短期トレンドはニュートラルな状態にありますが、日足の実体を118.50-60超えにしっかりと乗せて来るか、119.30-40の抵抗をクリアしない限り、ドル強気の流れに戻しません。

21日移動平均線は1/9現在116.89にあり、若干下抜けて終えていますが、"ダマシ"の範囲内にあります。また、120日、200日線は106.68と106.86に位置しており、中期トレンドはドル強気の流れにあります。

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一方週足を見ると、3週連続陰線引けとなりましたが、いずれも実体が小さく下げ余力の強いものではありません。

直近の陰線も下ヒゲがより長く、下値トライに失敗した反動がより強く表れる展開が予想されるものですが、一方で118円台の重要ポイントにぶつかっていることから、118円台の抵抗を抜け切れない可能性にも注意が必要でしょう。

この週足の上値抵抗は118.50-60に位置しており、これをしっかりクリアして119円超えで越週しない限り、ドル強気の流れに変化しません。一方で、週足ベースで見た強い下値抵抗が114.00±10銭にあることや、中期トレンドが非常に強い状態にあることから、調整下げが深くなった場合でもこれを大きく割り込まない可能性も高いと見られます。週足の上値抵抗は前述の118.50-60と120.60-70に、下値抵抗は114.00±10銭にあります。

 

一方月足は、12月足が陽線引けとなり、続伸に繋がりましたが、上ヒゲがやや長く、上値トライに失敗していることや、単体では上昇余力の強いものではないこと、2015年6月に付けた125.86を起点とするレジスタンスラインにもぶつかっていることから、目先天井を確認した可能性が点灯しています。

一方で、11月足が101円台の超長期的な下値抵抗に跳ね返されて大陽線の出現となったことで、中期的なトレンドに大きな変化が生じていることから、調整下げに留まるなら、今後の下押し局面でも111~112円台を割り込まない可能性も高いと見られます。

1月の月足の上値抵抗は118.00-50に、下値抵抗は112.50±20銭、110.50-00にあります。

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ポイント&フィギュアの200ポイントリバースチャートは1/9に117.50超えを見てニュートラルな状態に戻していますが、118.50まではニュートラルな状態を維持、119.00超えでドルやや強気に変化します。逆に115.50割れで方向へリバースしますが、115.00割れで一段の下落リスクが点灯します。

 

(戦略)

今月の戦略は、ドル買いは113.70-00で押し目買い。

損切りは113円割れで一旦撤退。これが付いた場合でも112.50以下は再び買い場となるでしょう。

ドル売りは117.10-20で売って117.60で浅めに一旦撤退。118.20-30で再度売り直し。この場合の損切りは119.10となります。

 

その他、米ドル/円の予想はこちら

17年01月10日 / 山口 哲也

今週の為替相場はトランプ次期大統領の会見と小売売上高に注目!

おはようございます。

インヴァスト証券の山口です。

先週の雇用統計の後、ややドル/円を中心に対円通貨は弱い展開となっています。

 

まず、下のグラフは昨年12月30日の終値と今年1月6日の終値を利用して計算した先週の円に対する主要通貨の騰落率を示したものになります。

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先週は日本円に対して、カナダドル、豪ドルなどの資源国通貨が強く、トルコリラや英ポンドが弱い展開となりました。

日本円も主要通貨に比べると弱かったことが伺えます。

 

注目されていた先週末の米12月雇用統計は

 非農業部門雇用者数が、前月比15.6万人増(市場予想:同17.5万人増)

 失業率が、4.7%(市場予想:4.7%)

 平均時給が、前月比+0.4%(市場予想:同+0.3%)

で、非農業部門雇用者数は市場予想に比べるとやや弱かったものの、11月分が17.8万人から20.4万人に2.6万人の上方修正、10月分が14.2万人増から13.5万人増に0.7万人下方修正され、先週末の記事でお伝えのとおり過去分は合計で1.9万人上方修正されました。

また、平均時給の伸びが市場予想に比べて強かったこともあり、米ドル/円は週末にかけて117円台を回復する展開となりました。

なお、週明けは、株安、米長期金利の低下やイギリスのハードブレグジット懸念などにより弱含みでの推移となっています。

 

 

【米ドル/円 週足チャート】

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米ドル/円の月足については、先週の記事でお伝えのとおり2011年の75.55を底値にする上昇トレンドにあり、月足では価格は12カ月、24カ月、48カ月移動平均線の上側に位置しています。

なお、月足でのサポートとしては24カ月移動平均線の位置する115円丁度で、これは一昨年6月の高値125.87から昨年6月の安値98.195までの61.8%戻しの水準となります。

週足も価格は13週、26週、52週移動平均線のそれぞれの上側に位置していますがストキャスティクスは高い水準でやや下向きになっており、当面はスピード調整が続きそうです。

週足でのレジスタンスは118.60-70前後で、サポートは月足の24ヵ月移動平均線で先週の安値(115.05)とも重なる115.00前後。

 

【米ドル/円 日足チャート】

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日足チャートは、右肩上がりの一目の雲と基準線(青い線))、また、遅行スパン(緑色の線)が日々線の上側に位置していることから、中期的な観点では上昇と考えています。

ストキャスティクスが50%を割る水準で上向きになりつつある為、目先は基準線が位置する115.76や月足や週足でお伝えのとおり115.00でサポートされるかどうかに注目です。

目先のレジスタンスは一目の転換線が位置する116.85前後で、その上が118.60-70を考えています。

 

なお、今週は以下のようなスケジュールとなっております。

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今週は特に米国のGDPの約6割を占める個人消費の動向を確認する上でも13日の小売売上高に注目です。

また、上記以外には昨年末におこなわれるはずだったトランプ次期大統領の記者会見が米国時間1月11日にNYでおこなわれます。

 

トランプ次期大統領の記者会見ついての注目点は、個人的な観点大統領としての観点の2つに分けられます。

個人的な観点においてはトランプ氏の納税申告書やトランプ大学の訴訟問題、トランプ氏が経営する会社の状況について、大統領としての観点では大統領選で発言していた政策(外交・財政・通商政策など)についてになります。

時間はまだ未定ですが、個人的にはオバマ現大統領の最終演説が終わったのちに、その内容を踏まえておこなわれるものと考えており、この記者会見をトランプ次期大統領がそつなくこなすことができれば、基本的に米ドル買い材料になるものと思われます。

トランプの絵札、Jack(11日)からKing(13日)にかけてが、今後の為替動向を見る上で要注意です。


なお、イギリスに関してはメイ首相が単一市場へのアクセスの放棄も辞さないと発言したことが、ハードブレグジット懸念に繋がっています。
昨年末、メイ首相は1月にユーロ離脱に関しての詳しい内容を演説するとしており、英ポンドの下落には注意が必要です。

17年01月06日 / 山口 哲也

今夜は米雇用統計!! 結果はどうなる?! (2017/01/06)

今晩、日本時間22時半には米国の12月雇用統計の発表があります。

みなさんもご存知のとおり、為替市場にとって米雇用統計は非常にインパクトの大きな経済指標になります。

 

そこで本日は今晩の雇用統計について、どのような結果が予想されるのかについて、過去の推移などを踏まえて予想いたします。

 

まず、抑えておきたいのは、市場予想(平均)です。

みなさんがよく目にする「市場予想(平均)」とは、経済指標に対する内外大手金融機関の予想の中央値となります。

 

ちなみに今晩の雇用統計に対する主だった指標の市場予想(平均)と予想最高値及び最低値は以下のとおりです。

・非農業部門雇用者数:前月比17.5万人増

 (予想最高値:同22.1万人増、予想最低値:同12.5万人増)

・失業率:4.7%

 (予想最高値:4.8%、予想最低値:4.53%)

・平均時給:前月比+0.3%

 (予想最高値:同+0.50%、予想最低値:同+0.20%)

 

この市場予想(平均)に対し、強い(良い)結果か、弱い(悪い)結果かが雇用統計を始めとする経済指標の焦点です。

なぜなら、価格はある程度、こういった市場予想(平均)を織り込んでいると考えられるからです。

前回より良かったとか悪かったとかでは無いのは、そういった理由になります。

 

ちなみに、これまでの米雇用統計(非農業部門雇用者数と失業率)の推移は以下のとおりです。

【米雇用統計 非農業部門雇用者数(前月比) 推移】

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※結果とは翌月発表時の結果

※修正とは翌々月以降に修正された確定値

※市場予想は翌月発表時点での市場予想の中央値

 

 

【米雇用統計 失業率 推移】

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リーマンショック後、非農業部門雇用者数は前月比マイナスとなり、失業率も10%を超える水準まで上昇したもののここ数年は堅調な米経済の影響で、非農業部門雇用者数は概ね前月比20万人増を中心に毎月プラスで推移しており、失業率は下降トレンドで推移しサブプライムやリーマンショック前の2006年・2007年と同程度の水準まで低下していることがわかります。

 

それでは市場予想に対しての結果と言う観点ではどうでしょうか?

下のグラフは、非農業部門雇用者数と失業率の市場予想に対するブレを示したものです。

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赤い棒グラフの非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想より強い結果は上ぶれとなり、青い棒グラフの失業率は市場予想よりも強い結果は下ぶれとなります。

ちょっと見にくいですが、オレンジ色の直線と紫色の線は、それぞれの予想に対する結果のブレを線形近似させたもので、オレンジ色の線は上向きで0を超えてきていることが、また、紫色の線は下向きになっていることがわかります。

 

ここから、マーケットの予想は非農業部門雇用者数も、失業率も結果よりもやや強い方向にバイアスがかかっていると考えられます。

わかりやすくいえば、マーケットは「アメリカって景気いいし、比較的数字いいよね!」という意識に傾きやすいということです。

 

次に季節的な要因を考慮し、12月の非農業部門雇用者数(1月に発表される)と11月の非農業部門雇用者数(12月に発表され1月以降に修正される)について確認しようと思います。

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上のグラフは「12月雇用統計非農業部門雇用者数の予想と結果の差(緑色)」と「11月雇用統計非農業部門雇用者数の結果と修正値の差(青色)」を棒グラフに示したものです。

 

緑色の棒グラフ(12月予想と結果の差)に目を向けると、1月に発表される12月米雇用統計は2010年以降市場予想に対し上ぶれが4回で下ぶれが2回と上ぶれの可能性が高いが、どちらかと言えば下振れ時の振れ幅が大きいと言えます。

また、青色の棒グラフ(11月の結果と修正値の差)に目を向けると、前回分の修正は2009年以降、上方修正のみになっていることもわかります。

 

【今晩の雇用統計は、市場予想よりやや弱めだが前回分が上方修正される??】

こういったことから、個人的には今晩発表される雇用統計について以下のような結果を予想しています。

・非農業部門雇用者数は市場予想平均の前月比17.5万人増よりやや下振れリスクがあるものの、12.5万人増から22.1万人増の間におさまりやすい。

・失業率も4.7%よりやや下振れリスクがあるものの4.8%から4.53%の間におさまりやすい。

・前月分は上方修正される可能性が高い。

 

上では非農業部門雇用者数と失業率を見ましたが、この1年程度に関して言えば平均時給(前月比)も注目されています。

雇用は米国の金融政策を考える上で非常に重要です。雇用と物価が強ければFEDは利上げに向かいやすく、弱ければ利下げに向かいやすいからです。

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なお、米長期金利は中期的な観点では、上のチャートの青色の4本の平行な線で示したトレンドにあると考えていますが、12月半ば以降は黄色い網掛けで示したとおり短期的にやや下降基調(青い上昇トレンドの調整と考えられる)にあり、上向きの25日移動平均線(赤色のライン)を下回っています。

 

米10年債利回りのサポートは2.34%や2.30%と考えられますが、今晩の雇用統計の結果によっては、10年債利回りの短期トレンドも変化する可能性もあり、上昇に転ずるならドル買いに、長期金利が2.34%や2.30%を下回るようであれば、もう一段の下げが考えられ、その場合もうしばらくはこれまでのドル買いに対する調整がつづくと考えられます。しっかりチェックをしておきましょう!



米ドル/円とユーロ/米ドルの日足チャート

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また、今日は週末です。ポジション調整の動きなども考えられるため、リスク管理に気をつけて来週を迎えたいところです。

17年01月04日 / 山口 哲也

2017年のドル円相場は、円安か?円高か?

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 

【2016年の米ドル円振り返り(米ドル/円 月足チャート)】

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2016年の米ドル/円相場は120.24で始まり、中国や欧州株、また、NY原油は1バレル26ドルまで下落したこと、更に6月には英国のEU離脱の是非を問う国民投票の結果が離脱支持だったことを受けリスク回避的に円が買われ、一時98.195まで下落いたしました。

オリンピックを挟んだ7月から10月にかけては、100円をサポート・105円をレジスタンスに小康状態が続き、11月の米大統領選挙の結果を受けて、その後はトランプ次期政権への期待感と米国の利上げによりドルが買われる展開となりました。

 

米大統領選については、ヒラリー氏勝利の場合はドル円上昇後に下落を、トランプ氏勝利の場合はドル円下落後に上昇を予想していましたが、特に大統領選後のドル円相場のプライスアクションでサプライズだったのはドル円の下落が105円台から101.18までで、しかも、その下落もその日のみで101円をも下回らずに上昇し始めたことだと思います。(リスクオフにより一時的に100円を割れる展開を予想していました。また、期間的にも少なからず12月のFOMCが意識されるまでは上値の重い展開を想定していました。)

その後、米ドル円は目立った押し目も付けずに、12月15日には118.68まで上昇し、2016年末、ドル円相場は116.86で引けました。100円割れを見なかったことで、強気に転じましたが、1ヵ月弱での101円台から118円台までの上昇に乗り遅れた人は多かったのではないかと思われます。

 

なお、米ドル円の月足チャートには、6カ月移動平均線、24カ月移動平均線、48カ月移動平均線と、スロー・ストキャスティクス(14,3,3)を表示していますが、現在、価格はそれぞれの移動平均線を上回り、ストキャスティクスも上昇傾向で加熱感は無いため、これまでの上昇に対する調整の可能性は残すものの、中長期的に米ドル/円相場は上昇トレンドにあると見受けられます。

 

 

【今年の値動きは?過去の大統領選翌年の相場展開は?】

結論から言うと、今年、2017年の米ドル/円相場は上昇傾向でボラタイルな展開になると予想しています。

下のチャートは、大統領選の翌年の米ドル円相場(月足)で、1月を100として指数化したもので、共和党の大統領が選ばれた翌年(上段)と民主党の大統領が選ばれた翌年(下段)に分けています。なお、黒い線はそれらの平均値になります。

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※各年1月の終値を100として指数化

※平均値について、平均値(共和党)は共和党の大統領1年目の各指数チャートを平均したもの 平均値(民主党)は民主党大統領1年目の各指数チャートを平均したもの

※ボラティリティについてはそれぞれの平均値に対する各チャートの標準偏差で比較すると、共和党の大統領1年目の方が民主党の大統領の1年目の方がバラつきが大きい

 

大統領選の翌年(大統領1年目)に起こった出来事などの影響もありますが、このデータから直接わかることは次のとおりです。

・共和党の大統領が選ばれた翌年はやや円安傾向

・共和党の大統領が選ばれた翌年はデータのバラつきが大きくボラティリティが高め

・民主党の大統領が選ばれた翌年はやや円高傾向

・民主党の大統領が選ばれた翌年はデータのバラつきが小さくボラティリティは低め

 

トランプ大統領は共和党となりますので、過去の傾向から言えば今年は円安傾向でボラティリティは高めになりやすいと考えられます。

  

 

ちなみに、今年は酉年です。相場の格言では「申酉(さるとり)騒ぐ」といいます。

上のチャートの凡例、大統領の名前に黄色い網掛けをしている年が酉年になり、過去3回の酉年ではそれぞれ円安傾向での推移となっていました。

(※辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ、戌は笑い、亥固まる、子は繁栄、丑はつまずき、寅千里を走り、卯は跳ねる)

 

 

【2017年も政治リスクが目白押し】

昨年はイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票やアメリカ大統領選、また、イタリアの憲法改正に係る国民投票などもあわせ、政治イベントによって相場が大きく左右される年でした。

そして今年も昨年同様、注目される政治イベントが多く、政治リスクの影響で相場が動く可能性があります。

 

まずは、米国です。

1月20日にトランプ大統領が就任、その後の議会演説や予算教書などの内容により、これまでのトランプ期待が持続するのか、剥落するのかに注目です。

米国については、それ以外にも利上げのペースが挙げられますが、金融政策についても、間接的に政治的リスクが主に2つ絡んできます。

1つ目はFOMCの理事が2名欠員していることです。

この2名の欠員に対してトランプ次期大統領がどのような人選をするのかにより、FEDの雰囲気が変わってくる可能性があります。

2つ目はトランプ次期大統領が打ち出す財政政策によっては、FEDの利上げペースが速くなる可能性がある(イエレンFRB議長が言及)と言うことです。

FEDのFF金利についての総意は、昨年12月のFOMCのドットチャートから2017年末までに3回の利上げとなっていますがトランプ次期大統領が掲げる財政出動がある場合、ドットチャートのペース以上に利上げを加速させる必要があるというのがFEDの認識になっています。

トランプ大統領の理事の人選と財政政策によっては、利上げのペースが加速したり減速したりと、騒がしい年になりそうです。

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※上記ドットチャートは2016年12月のFOMCで、2017年末、2018年末など、FFレートがどの程度が適当かを、FEDメンバー17名がそれぞれプロットしたもの。

※2016年末のFFレートは0.50-0.75%(仲値で0.625%)で、2017年末の中央値は1.375%となるため、2017年は会合あたり0.25%の利上げであれば3回と言える。

また、米国の外交政策にも注意が必要です。特に中国に対して米国が軍事・経済両面においてどのような外交政策をおこなっていくのかに注目です。

 

次に欧州ですが、イギリスについては、年明けにメイ首相がEU離脱交渉の方針について演説することになっています。

また、今年はオランダ議会選(3月)、フランス大統領選(5月)、ドイツ総選挙(秋)があります。

これらの国の中から反EUを掲げる政党が躍進、政権を握るようなことがあると、対ユーロで円や米ドルは買われやすくなります。

なお、イタリアにおいては昨年12月11日にマッタレッラ大統領がジェンティローニ外相を次期首相に指名、今年の総選挙は無くなりましたが、イタリアの大手銀行の経営問題もあり、また、来年2018年5月に総選挙を控えていることもあります。

昨年のイギリスの国民投票にしろ、米国の大統領選にしろ、イタリアの国民投票にしろ、トルコのテロにしろ、また、欧州の移民問題やテロ事件にしろ、私達日本人には想像できないくらい、世界的に自国の政治に対する国民の不満感情が高まっているのが現状のところです。

中国や韓国もそうですが、特にユーロ圏においては、今年もあちらこちらで政治・経済リスクの火種が潜んでいるため注意が必要です。

 

これらのことを踏まえ、今年は円安、円高というより、特に主要通貨に対し世界経済のけん引役となる米国のドルが買われやすい状況が続くと考えられ、米ドル/円もそれに引きずられた上昇トレンドとみてはいますが、昨年2016年以上に、上下に大きく振れるボラタイルな相場展開を予想しています。

 

なお、個人的には米ドル/円、日経平均ともに、今年はそれぞれ2015年6月の高値126円(125.87)、21,000円(20952.71)にトライする動きを予想しています。

 

 

 

今年も一年間よろしくお願いします。

 

 

 

 

【ピボットによる2017年の予想レンジ】

2017年主要通貨のピボット予想レンジです。(2016年の年足4本値で計算)

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※PIVOTとは・・ J.W.ワイルダーが考案した「リアクション・トレンドシステム」のことで、一般的にはPIVOT(ピボット)と呼ばれています。

※PIVOTの使い方

 四本値から算出された価格から2つのモードで使い分けをします。

 1.リアクションモード

   保ち合い相場(横ばいトレンド)を想定して、B1・B2で買い、S1・S2で売ります。

   上記の表の予想レンジ1はB1とS1で、予想レンジ2はB2とS2で想定レンジ幅を表示しています。

 2.トレンドモード

   LBOP(ロウ・ブレイク・アウト・ポイント)を下回ったら下降トレンド、HBOP(ハイ・ブレイク・アウト・ポイント)を上回ったら上昇トレンドと想定(リアクションモードでの取引は停止)して、取引をおこないます。

16年12月26日 / 山口 哲也

12月26日週 今後の主要通貨ペア動向(米ドル/円以外)

ユーロ/米ドル 週足チャート

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先週のユーロ/米ドルは小動き。1.0449で寄り付いたユーロ/米ドルは20日に先週の安値1.0365をトライし一時1.0350まで値を下げたものの、その後は1.0500まで回復。1.0450で引け、チャートは同事線となっています。

目先は1.0350-1.0500のレンジが続きそうですが、長期トレンドは下向きとなっており、再度、1.0350ドルへのトライが予想されます。

レジスタンスは、1.0500ドル前後、その上が1.0710前後。サポートは1.0365。

 

 

ユーロ/円 週足チャート

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先週のユーロ/円は小幅反落。

価格は52週、13週、26週、それぞれの移動平均線の上側に位置していますが、ストキャスティクスも高い水準に位置しており、目先は上値の重い展開となりそうです。

チャート上に引いた破線は週足チャート上で高値や安値となった水準(121.60-70前後)で、先週もここでサポートされています。

なお、価格が121.60を割る場合は、52週移動平均線が位置する120.12がその下のサポートとして意識されやすいものと思われます。

 

 

英ポンド/円 週足チャート

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先週の英ポンド/円は反落。

寄付き後に52週移動平均線(147.64)にレジストされた後は、今週の経済カレンダーの記事でもご案内のとおり、メイ英首相が来年初めにU離脱交渉方針の説明を演説にておこなうとの報道などにより英ポンド/円は売られ、更に円が買い戻される動きから、先週末にかけて上値の重い展開となりました。今週は目先のサポートとなる143.30前後を下回るかどうかで、この水準を下回る場合は138.86がその下のサポートとして考えられ、140円割れまで下落する可能性があります。

 

 

豪ドル/円 週足チャート

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先週の豪ドル円は反落。

チャート形状が酒田五法でいう「三川(宵の明星)」に近いとなっており、下値不安があります。ストキャスティクスも加熱感のある水準から下向きに変化、先週お伝えしたスパイク・トップが現実味を帯びてきている感があります。

なお、目先のサポートは13週移動平均線の位置する82.00前後で、その下が80.65前後を考えています。

 

 

 

今週の米ドル/円予想についてはこちら

今週の「経済カレンダーと為替相場の注目点」についてはこちら


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