為替予想
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17年01月11日 / 水上 紀行 氏

主要通貨見通し(2017/01/11)

【ドル/円】

ドル円 月足m20170111.jpg

ドル/円 月足

 

トランプ次期大統領の記者会見が、11日とも12日とも言われていますが、いずれしても、間近に迫っていることは確かで、これ対して油断は禁物です。

しかし、ここ半年ぐらいは113円~123円ぐらいのレンジ相場続くのではないかと、個人的には考えています。

 

その理由は、特に投資家筋の投資方針が今の段階では決まらないと見ているからです。

 

ここでいう投資家とは、政府系ファンドや、年金運用機関であるペンション・ファンド、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や生保をはじめとする機関投資家、そして中央銀行などを指し、ひとたび、運用方針が決まれば、怒涛のごとく一方通行の資金移動を行うマーケット参加者です。

 

ただ、公的あるいは準公的な集団ですので、かなり慎重で、実際の運用を始めるまでには、結構時間を掛け、場合よっては4~5カ月ぐらいを要することも、稀ではありません。

 

今月20日には大統領就任式がありますが、たぶん就任式をやったからと言って、彼らが運用方針を決めるとは思いません。

 

なぜなら、トランプ氏が施政方針を決めたから投資開始とは行かず、トランプ政権が実際どのような行動を取るのかを、やはり4~5カ月ぐらい見てからではないと、投資方針は決めないものと考えられるからです。

 

そうすると、この間のドル/円は投資家からの一方向のフロー(資金の流れ)がないため、トレンド相場は形成されにくくレンジ相場が続きやすいものと思われます。

 

しかも、もしトランプ氏が今後もツイッターでつぶやき続けるのであれば、レンジ相場の中でかなり乱高下する可能性があり、うまく立ち回らないと、大きな痛手を被ることになりかねませんので警戒が必要です。

 

それでは、4~5カ月経過後の相場がどうなるかについてですが、個人的にはドルは再び下がると見ています。

 

なぜなら、基本的にドル/円が高値圏を維持するには米ドルの買い支えが必要だからです。

 

しかし、現在、日本の貿易収支は黒字に戻っており、2012年~2015年頃の貿易赤字によるドル買いにはなっていません。

 

また、恐らく4~5カ月後、機関投資家筋も積極的にドルを買う地合いにはなっていないものと思われます。

 

つまり、ドル円を高いところで買い続けるほどの理由が無いと考えているということです。

 

それよりも、投機筋のロングポジションができている分、逆に下げやすくはなっていると思われます。

 

また、テクニカル的にこれから4~5カ月間高値を維持するとちょっと2015年代の高値圏ほどの高さにはならないと思いますが、ふたつ目の山がひとつ目の山より低いドル/円にありがちな変形ダブルトップを形成し、それで上げ切れなければ100円に向けて下落を開始するものと思われます。

 

そして、来年以降はさらに75~80円近辺まで下落するものと見ています。

したがいまして、いずれ再び、政府・日銀との対決の時が訪れるものと考えます。

 

【ユーロ/ドル】

ユーロドル 月足m20170111.jpg

ユーロ/ドル 月足

 

ユーロ/ドルは2014年5月から2015年2月までの間に3500ポイントもの急落を見ましたが、2015年2月から現在まで、ほぼレンジ相場となっていました。

ここに来て今までの1.0500~1.1500の1000ポイントレンジを下に割り込んで、既に下落の兆候が出ているものと見ています。

ただ、すんなりとは下がらないところを見ると、ここから下の水準にはオプション絡みの防戦買いがあると考えられます。

 

しかし、防戦買いは結局「形あるものは必ず崩れる」の例えではありませんが、下に抜けていくものと考えられます。

 

既に、ご案内のようにこれまでのレンジが1.0500~1.1500ドルで、1.0500ドル割れてきていますので、ここから更に1000ポイントのスライドをすると1.0500-(1.1500-1.0500)=0.9500近辺がターゲットとなるものと見ています。

もちろん、1ユーロ=1.0000ドル水準(パリティー、等価)も、サポートではありますが、今や心理的抵抗線に過ぎないと見ています。

 

【ユーロ/円】

ユーロ円 月足m20170111.jpg

ユーロ/円 月足

 

昨年11月の米大統領選がきっかけとなり、それまで順調に下げてきたユーロ/円も大幅反発となっています。

しかしながら、依然として95円~100円近辺への下落の可能性は、否定されていないものと見ています。

 

今年は、ユーロ圏では選挙が続きます。

今や、ポピュリズム(大衆迎合主義の政治)が、移民問題と共に台頭するユーロ圏各地ではEU離脱の声が高まっており、非常に不安定な状態になる可能性は高く、ユーロは、対ドルのみならず、対円でも下落を再開するものと思われます。


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