為替予想
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17年02月06日 / 川合 美智子 氏

ドル/円:短期はドル弱気中、中期トレンドは強気を維持。

(分析) 

米12月の雇用統計は失業率が予想より1ポイント悪化して4.8%となりましたが、非農業部門就業者数が市場予想より上振れて+22.7万人となり、雇用市場は好調な状態を維持していることが確認されました。

一方で、労働賃金の上昇率が市場予想の+0.3%に対して+0.1%に留まったことやISM非製造業景気指数が56.5と予想比やや悪かったことが嫌気されてドルの上値を抑える結果となりました。しかし足元の景況感は引き続き好調さを維持しており、3月にはFEBが追加利上げに踏み切るとの見方も多いことから、為替相場も金利の動向を見ながら、これに左右される展開が続くと見られます。

一方、1月20日の就任直後から数多くの大統領令が発動されており、トランプ大統領は選挙前の公約を積極的に実行する姿勢を強めています。

対外的には移民問題や防衛関連、また国内でも今後の大規模なインフラ投資、減税、金融改革(金融規制見直し)など新たな政策実行へ向けての動きが予想されますが、諸外国を巻き込んでの強行姿勢には海外首脳も批判や困惑の度を強めており、市場にも先行き不透明感が漂っています。

海外首脳は100日間のハネムーン期間を謳歌する新大統領の動向を注視しつつ、当面は静観の構えをとると見られます。

金融市場では政策実行力への先行き不透明感が強い中で、良好な景況感と政策実行への期待感による株式市場の好況の一方で、為替市場ではリスク回避的な動きも見られること、日米貿易摩擦問題が浮上していることから、短期的には"円"の動きに注目が集まるものと見られます。

こうした中、10日には日米首脳会談が開催されますが、日米貿易不均衡問題についてはこれまでのトランプ大統領の言動から推察しても強硬姿勢を崩すとも思われず、強い要求と少しの譲歩をもって臨んでくると見られ、円高圧力を大きく後退させることは難しく、為替相場は暫くの間円高圧力がかかり易い状態が続くと見られます。

 

【米ドル/円 日足チャート】

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テクニカルでは、日足は1/3に付けた118.60を起点として上値を切り下げる流れを変えておらず、この間に1/31の陰線が11/3の102.55を起点とするサポートラインを下抜けて新たな下げ局面に入った可能性が高くなっています。

この日足の上値抵抗が114.50-60に位置していることから、これを上抜けて終えるか115円超えに実体を戻さない限り、短期トレンドはドル弱気の流れに入っています。

日足の上値抵抗は113.80-90、114.20-30、114.50-60に、下値抵抗は112.50-60、112.00-10、111.00-10にあります。21日移動平均線は114.23に位置しており、この下に入り込んで下値リスクが高い状態にありますが、120日、200日線は、108.55と107.27に位置しており、中期トレンドはドル強気の流れに変わりありません。

 

【米ドル/円 週足チャート】

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一方週足は、寄り付き高値の陰線引けとなり、上値を切り下げる流れから抜け出していません。

112.50-60の下値抵抗をかろうじて守って越週しており、これを支えとして小反発の可能性を残していますが、週足の形状が悪化していることや114.00-20に強い抵抗が出来始めていることから反発余地が限られる展開が予想されます。

但し、114.60-70の週足の上値抵抗を上抜けて、115円超えで越週出来れば短期トレンドが変化して上値余地が若干拡がる可能性が点灯します。

この場合でも117.00超えからの抵抗が厚く、簡単には上抜けないでしょう。逆に112円割れを見た場合は一段の下落に繋がり易くなります。

週足ベースで見た強い上値抵抗は114.00-20、114.60-70に、下値抵抗は111.80-90、110.40-60にあります。31週、62週移動平均線は107.58と110.14に位置しており、中・長期トレンドはドル強気の流れを維持しています。

 

しかし、月足を見ると、包み足の陰線が出ており、高値圏で出た場合は目先天井となる可能性が高いものとされています。

1月に付けた118.60で戻り天井を確認した可能性が点灯しており、ドルの戻り売りの流れに入った可能性が生じています。一方で昨年11月の大陽線は、100円±1円の超長期的な下値抵抗に跳ね返されており、長期的な大底を確認した可能性も高い状態にあります。

短期的には下値リスクが高い状態にありますが、調整的な押しに留まるなら、今後のドルの下落余地は107~108円台を大きく割り込まない可能性も高いと見られます。2月足の上値抵抗は114.50~115.00に、下値抵抗は110.00~110.50、106.50~107.00にあります。

 

【米ドル/円 P&Fチャート】

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ポイント&フィギュアの200ポイントリバースチャートは1/31に113.00割れを見て下方向へリバース中です。

112.50割れを見て、一段の下落リスクが点灯中です。114.50超えで上方向へリバースしますが、115.00まではニュートラルな状態、115.50超えで若干上値余地が拡がり易くなります。

 

(戦略)

今月の戦略は、ドル売りは113.80-90で戻り売り。上値余地を114.30近辺まで見て置く必要があります。損切りは115.10で一旦撤退です。買いは様子見か107.00以下があれば軽く押し目買い。損切は106.30で撤退です。これが付いた場合でも104.60~105.00ゾーンに長期的な下値抵抗があり、簡単には下抜けないでしょう。


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